(この記事は、第150号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回の「たのしい音楽小話」は、外国で活躍されている日本人ピアニストのお話です。
普段私たちが接しているピアノ音楽は、ヨーロッパ発祥のものです。グレゴリオ聖歌を起源として、音楽も楽器もヨーロッパで発展しました。
日本にピアノが伝わったのは、江戸時代末期から明治時代です。
しかし今では、世界中でピアノ音楽は演奏され、ピアニストも世界中で活躍をしています。そして、「まさか!」という場所で活躍されている日本人ピアニストもいます。
その場所は、アフリカ・サハラ砂漠西南端の秘境、セネガル共和国です。
日本では、あまり知られていない国ですが、セネガル共和国の首都ダカールの名前は聞いたことがあるかもしれません。パリ・ダカール・ラリーの終着点です。
2000年から2012年まで、セネガル共和国の第3代大統領を務めたアブドゥライ・ワッド氏の専属ピアニストが、広谷泉さんという日本人ピアニストです。
青年海外協力隊の音楽隊員として、アフリカを訪れたことがきっかけで、大統領主催のオーディションに合格して、専属ピアニストになりました。
大統領には、執事やシェフなど専属の方が付きますが、ピアニストまでいるとは驚きですね。
しかし、モーツァルトなど昔の音楽家が、貴族お抱えの音楽家だったことを考えると、不思議ではないのかもしれません。
ワッド元大統領は、作曲が趣味なので、音楽に強い関心と理解があったのでしょう。
大統領専属ピアニストの仕事は、大統領主催の晩餐会などでの演奏なのだそうです。
世界中から様々なお客様が来られるわけですが、そのときに生演奏でおもてなしをされていたそうです。
アフリカと言うと、どうしても発展途上のイメージがありますが、広谷泉さんがアフリカに渡った時、ピアノはとても高価で、学校などでも揃っていなかったようです。
しかし、今では少しずつ普及してきて、大統領専属ピアニストを12年勤めた後、広谷泉さんは現在、セガネルの国立芸術大学でピアノの先生をされています。
バッハやモーツァルト、ショパンなど、ヨーロッパの作曲家からみたら、アジアの日本でこれだけクラシック音楽が普及し、親しまれている事に驚くと思いますが、砂漠が広がるアフリカ大陸でも、クラシック音楽やピアノは着実に広まっているようです。
ダン・タイソン や ユンディ・リ などのアジア人が、ショパンコンクールで優勝したように、近い将来、アフリカから優勝者が誕生するかもしれませんね。
(この記事は、第148号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回の「たのしい音楽小話」は、天才音楽家のお話です。
以前、各界のスペシャリストが、わかりやすく授業を行うバラエティ番組「世界一受けたい授業」で、「日本人が好きな天才ベスト100」というテーマがありました。
そして、その天才ベスト10 の中に、音楽家が3人も入っていたのです。さあ、誰が入っていたでしょう?
答えは、以下の3人です。
6位: ベートーヴェン
7位: モーツァルト
10位: ショパン
エジソンやレオナルド・ダ・ヴィンチ、アインシュタインなどと並んで、音楽界から3人も選ばれているとは思った以上に多く、とても嬉しく思いました。
個人的には、モーツァルトよりも、ベートーヴェンの方がランキングが上というのは少し驚きです。
作曲家の青島広志さんが、この3人の作曲家を比較しながら、演奏も交えて作曲スタイルについて解説されていました。
ベートーヴェンは、辛いことや怒りを音楽で表現し、ショパンは恋人など特定の人を思い、曲を書いていました。
しかし、モーツァルトのような古い時代には、音楽は神様に捧げるものでしたので、このようなことはありません。
時代とともに、音楽のあり方が変化してきた事になります。
このような事を知ると、音楽の聴き方や感じ方も変化してくるかもしれませんね。
そういえば以前、生徒さんと好きな作曲家について話をしていたとき、「ショパンは、もうたくさん」とお話されていた事を思い出しました。
ショパンの音楽は、様々な人間の感情が込められたロマン派の作品ですので、何か刺激が欲しい時にはぴったりですが、人間関係などでストレスを抱えているときには、天真爛漫なモーツァルトの音楽の方が、悩みを忘れられて癒されるのかもしれません。
番組の中では、人間性についても紹介されていましたが、モーツァルトの子供っぽさや幼稚さがうかがえる例として、「俺の尻を舐めろ」という変わったタイトルの音楽が紹介され、実際オペラ歌手が歌っていました。
モーツァルトの音楽は有名なものが多いわけですが、この曲をご存じの方は少ないでしょう。私自身、あまりに凄いタイトルなので知ってはいましたが、実際に聴いたのは初めてです。
原曲ではなく、青島さんの編曲ではありましたが、このタイトルをひたすら連呼するような音楽で、歌い終えた歌手の方も「恥ずかしいです」と感想をお話されていました。
YouTube の動画もご覧ください。
確かに、ピアノ曲があったとしても恥ずかしいですね。
短い人生の中で、素晴らしい音楽をたくさん生み出し、天才中の天才と言われる音楽家ですが、このような一面を知ると、生身の人間らしさが感じられて、少しホッとしてしまうのは、私だけではないと思います。
(この記事は、2014年5月12日発行の第147号 メールマガジンに掲載されたものです)
その3からの続きです。読まれていない方は、以下のページをご覧ください。
お子様の才能とスズキ・メソードについて考える その1
お子様の才能とスズキ・メソードについて考える その2
お子様の才能とスズキ・メソードについて考える その3
スズキ・メソードの創始者である鈴木鎮一さんが書かれた本『愛に生きる 才能は生まれつきではない』(講談社現代新書)を通して、「才能」について書いています。
今回が、最終回です。
前回は、10年間努力を怠らなければ、誰でもその能力を開発することができることを書きました。
しかし、10年「やり抜く」ことは大変ですね。最初は、「やるぞ!」と思っても、本当にやり抜ける人は一握りです。
逆に、成功するかどうかは、「やり抜くことができるかどうか」にかかっていると言っても過言ではありません。
「忍耐」が運命を決めるのです。そして、その忍耐は、くり返し行う練習によって作られます。
「たかが音楽」と思う人もいるかもしれませんが、その音楽のレッスンを繰り返すなかで、お子様の人生を決める「忍耐」が作られるのかもしれません。
そして、もう1つ、この本が教えてくれる重要なポイントは、「実行すること」です。
多くの人に共通する短所は、「やるべきだ」と思いながら、結局 実行には移さないことです。
「思うだけでは能力ではない。それは、思わないのと結果は同じだ。やってのけてこそ、能力なのだ」と、この本には書かれています。
行動に移すことができるかどうか、これも、人の運命を左右するほどの重大な能力です。
お子様に、「思ったら実行する習慣」を身に付けさせることは、学校の勉強以上に、お子様の将来に大きな影響を与えるかもしれません。
「思ったら実行すること」「実行したら、途中であきらめずに、最後までやり抜くこと」、そして「自分にできないことを、生まれつきと思わずに、まだ努力が足りないと思うこと」、これらを実践したらどうなるか?
その結果は、スズキ・メソードの生徒に有名人が多いことを見れば明らかでしょう。
お子様に才能があるかどうか心配するよりも、行動をおこして、それを続けることに精力を注ぐべきということですね。
(完)
参照: 子供のためのピアノ教育:お子様をピアノ教室に通わせる
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