(この記事は、第142号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回の「たのしい音楽小話」は、ヤマハのお子様向けコンサートのお話です。
日本で音楽教室の知名度ナンバー1のヤマハは、全国にたくさんの教室があり、近年では海外にも教室を展開しています。
毎年春前には、よくテレビCMも流れていますので、ピアノや音楽をやっていない方でも名前はよくご存知でしょう。
以前は、お子様の習い事として認知されていたピアノですが、近年では、大人向けの音楽教室が開設されたり、よりハイレベルなレッスンを行い国際コンクールで優勝できるような若手ピアニストを育成するマスタークラスも開講されています。
先日、そんなヤマハのお子様向けのコンサートへ行ってみました。
全席自由席だったのですが、開場直後に行ってみますと、既に多くのお客さんがいらしていて、前方の席はかなり埋まっていました。
小さいお子様向けということもあり、より近くで見られる席が人気だったようです。
ロビーには、着ぐるみのキャラクターがいましたが、一緒に写真を撮るための行列ができていて、お母様が熱心にカメラやケータイで写真を撮っていました。
コンサートは2部構成になっていて、前半はエレクトーンとピアノのコンサートでした。
舞台のスクリーンには音符の絵が流れ、ミラーボールの光が会場中をグルグルと照らし、ディズニーメドレーの音楽と共に、華やかな演出がされていました。
お子様にもわかりやすい解説やトークを交えながら、ショパンの「子犬のワルツ」やモーツァルトの「トルコ行進曲」などクラシックのピアノの名曲を演奏したり、ヤマハのテレビCMで使われている歌のミニレッスンもありました。
単に歌を歌うだけでなく、フォルテとピアノをつけて、強弱も教えていました。
その他にも、エレクトーンの演奏や、ピアノとエレクトーンの演奏で「くるみ割り人形」が披露されました。
さまざまな楽器の音が出せるエレクトーンの魅力と、自分の指先でさまざまな音色を出せるピアノの魅力の両方が楽しめるコンサートでした。
30分の長さも、お子様にとってはちょうど良く、聴き易かったのではないかと思います。
後半は、「劇団飛行船」の人形劇で、「赤ずきんちゃん」が公演されました。
劇団飛行船は、お子様向けのミュージカルでは とても有名な劇団で、大きなマスクをかぶって行われます。
私もとても小さい頃に見に行ったことがあり、とても楽しかった事を覚えています。
その時は「オズの魔法使い」だったのですが、ブリキの人形の胸に扉がついていて、そこを開けると赤いハート型の心臓がドクドクと動き、取り出せるようになっていたことを鮮明に覚えています。
もう数十年も前のことですが、今でも本当につい先日見に行ったくらいの感覚です。
こうして、また同じ劇団の公演が見られるのは、嬉しいものです。
大きなマスクをかぶっていて、少しアニメっぽい顔立ちなので、お子様にもわかりやすいと思います。
体の動きも大きく、歌の部分でも歌詞がとても聞き取りやすく、わかりやすい内容というのも工夫されていると思います。
人を騙そうとしている悪いオオカミと、懲らしめようとする狩人との戦いのシーンでは、会場のお子様が次々と声援を送り、盛り上がっていました。
公演終了後には、会場のロビーに赤ずきんちゃんやオオカミなど出演したキャラクターがいたのですが、お子様に取り囲まれて大人気でした。
3月になり、春はコンサートがあちこちで開催されます。
小さい頃から、さまざまなコンサートで色々な楽器の音色を聴いたり、いろいろな形で音楽と触れ合うことは、その後の成長にきっとプラスになると思います。
少し探してみますと、未就学児でも参加できる公演はたくさんありますので、ご家族揃って楽しんでみるのも良いのではないかと思います。
(この記事は、2014年2月17日発行の第141号 メールマガジンに掲載されたものです)
今回は、連日熱戦が繰り広げられている、ソチオリンピックのお話です。
毎日、いろいろな競技が行われているので、テレビに釘付けという方も多いのではないかと思います。もちろん、私もその一人です。
4年に1度行われ、世界のチャンピオンが決まる大会なので、個人的にウィンタースポーツは殆ど縁が無いのですが、ついつい気になってしまいます。
ピアノ教室でも、「次回のレッスンの時には、寝不足になっているかもしれませんね」とお話をしますと、ニコッとされる生徒さんもいらっしゃいました。
今回のオリンピックで、日本人のメダル第1号になったスノーボードの平野選手(銀メダル)や平岡選手(銅メダル)は、スノーボードの世界ではとても有名な選手なのでしょうが、私のようにオリンピックでメダルを獲得されて、初めて「こんなに凄い選手がいたのだ」と知った方も多いかもしれません。
平野選手は、10歳の時にバートンという、スノーボードの世界ではナイキやアディダスのように有名な会社と契約した逸材だそうですし、平岡選手は、12歳の時にプロ選手になっていたのだそうです。
実は、だいぶ前からその才能を開花させていて、今回のオリンピックで更に大きな成果が出たということになります。
スポーツも音楽もそうですが、世界で戦うためには、小さいときからの練習とそのための環境が重要となるようです。
また、つい先日は、男子のフィギュアスケートで羽生選手が、待望の金メダルを獲得されました。今回は、最強の三銃士とまで言われ、注目度もとても高かったですね。
私も、連日ライブで見ていましたが、こちらも素晴らしかったです。
フィギュアスケートは音楽を使用するので、音楽にも注目していましたが、羽生選手と金メダル争いをしていたパトリック・チャン選手が、ヴィヴァルディの「四季」を使用した事には大変驚きました。
バロック期の音楽は、これまでフィギュアスケートでは、あまり選ばれていなかったように思います。
モーツァルトやショパンに比べると、バロック期の音楽を聴く機会は少なく、「四季」は少し聴いたことがあっても、全曲通して聴いたことは無いという方もいらっしゃると思います。
これを機に、聴いてみるのも良いかもしれませんね。
今後もぞくぞくと注目の競技が行われますし、来週には、いよいよ女子のフィギュアスケートも始まります。
寝不足に負けずに、応援していきたいですね。
(この記事は、第140号のメールマガジンに掲載されたものです)
2014年も、あっという間に1ヶ月が過ぎてしまいました。
以前、大人の生徒さんに、
「年々、1年が過ぎるのが早くてね。先生は、まだお若いからわからないかもしれないけれど、年を取ったら、どんどん早く感じるわよ~」
と言われて、「へえ~、そうなんですか・・・」と答えていましたが、今ではすっかり納得して実感している今日この頃です。
2月と言うと、いよいよソチ・オリンピックが始まりますね。
楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。私も勿論その一人です。
祖父母が雪国に住んでいたのですが、遊びに行く時期は夏休みのことが多く、あまり雪で遊んだ記憶がありません。
今となっては、「少しもったいなかったかなあ。もし冬に遊びに行って、スキーやスケートをやっていたら、もっと何かが違っていたかもしれない」と感じています。
今年の冬季オリンピックでは、フィギュアスケートの団体戦が新しく競技として加わることでも、大きな話題になっていますね。
華麗な演技を、たくさん見る機会が増えることは、ファンとしてはとても嬉しいです。
大会前日まで、出場する選手を公表しなくてよいというルールだったり、ショートプログラムとフリーは、別の選手が出場するようなので、どちらにどの選手が登場するのかという楽しみもあります。
日本は、男女とも選手層がとても厚いので、個人戦はもちろん、初めての団体戦での活躍も期待したいですね。
ピアノを弾いている方には、フィギュアスケートで使用する音楽にも着目して頂きたいと思います。
浅田真央選手は、以前からよくピアノの曲を使用していますが、今回のショートでは、ショパンのノクターンOp.9-2を使用するようです。
ショパンのノクターンの中では、ダントツに有名なので、弾きたいと思っている方も、弾いた事がある方も多いのではないでしょうか。
ショパンの楽譜:ノクターン Op.9-2 のページで音を聴くことができます。
レッスンにいらしている大人の生徒さんの中にも、「弾いてみたいけど、原曲は難しいからもっと簡単にした楽譜ってありますか?」と聴かれました。
「今度、オリンピックで浅田選手が使用しますよね~」と話しますと、「そうなのよね。あの曲ステキよね」とお答えになりました。
聴きなじみのある曲が使用されると、より興味を持って観戦できそうですね。
フリーで使用するラフマニノフのピアノ協奏曲第2番も、とても有名な曲です。ブログの記事 ラフマニノフ自身の演奏によるピアノ協奏曲第2番で、音を聴くことができます。
ラフマニノフを代表する音楽ですし、色々な作曲家がピアノ協奏曲を作曲していますが、その中でもとても有名です。
チャイコフスキーコンクールのファイナルでは、ピアノ協奏曲が演奏されますが、この作品がよく選ばれています。
以前のオリンピックでは、伊藤みどり選手が、同じ曲目でオリンピック女子初となるトリプルアクセルを決めて、銀メダルを獲得しています。
同じ日本人選手で、同じトリプルアクセルという武器を持つので、ちょっと気になります。
同じ曲でも、それぞれ人によって感じ方が違いますから、できる事なら、お二人の演技を見比べてみたいですね。
また、高橋大輔選手が使用する「ヴァイオリンのためのソナチネ」は、日本人の作曲家佐村河内守の作品です。(下のコメントをご覧ください)
1963年生まれの作曲家で、4歳でピアノを学び、5歳で作曲をし、10歳でベートーヴェンのソナタを弾くという才能を見せていましたが、17歳で聴覚障害が発症して、全聾(ぜんろう。まったく聞こえない)になってしまったそうです。
それでも作曲活動を続け、昨年公開された映画「桜、ふたたびの加奈子」の音楽でも話題となりました。
そんな「現代のベートーベン」とも呼ばれている作曲家の作品を、高橋選手がどのように表現するのかも見所です。
先月末には、オリンピックで日本人選手が使用する音楽を集めた楽譜も発売されました。
![]() |
ピアノ・ソロ フィギュア・スケート~銀盤のメロディー 2014 |
自分で音楽演奏を楽しみつつ、テレビでオリンピック観戦を楽しむという、オリンピックの楽しみ方ができそうですね。
(コメント)
この記事は、2014年2月3日のメールマガジンで配信されたものですが、2月6日に「佐村河内守さんの楽曲のゴーストライターをしていた」との新垣隆さんの会見がありました。詳細は、以下の報道などをご覧ください。
佐村河内さんのゴーストライターを18年間やっていた (新垣隆さん会見)
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