(この記事は、第117号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、2013年が記念年の作曲家のお話です。

新しい年が始まったと思ったら、あっという間に1ヶ月が経ちました。2013年の最初のメールマガジン(第115号)では、ワーグナーとヴェルディの生誕200年の話題を少し書きましたが、2013年が記念の年という作曲家は、他にもたくさんいます。

まず、1833年生まれで、今年が生誕180年になるのが、ブラームスとボロディンです。

ブラームスは、「ハンガリー舞曲集」などの作品で知られていますし、ボロディンは、ロシア5人組として聞いたことがある方もおられると思います。作曲家としてだけでなく、科学者や医師という面も持ち合わせていました。

コン・ヴィヴァーチェのサイトでは、以下のような記事があります。

ピアノのしらべ:ブラームス作曲 ワルツ集op.39より第15番
ピアノのしらべ:ブラームス作曲「ハンガリー舞曲集」第5番
ピアノのしらべ:ブラームス作曲ピアノソナタ第3番Op.5より第2楽章
ブラームスのお墓:ヨーロッパ音楽紀行・ウィーン
ピアノ曲・人気楽譜ランキング: ブラームス
ボロディンのお墓:ヨーロッパ音楽紀行・ロシア・サンクトペテルブルグ

次に、生誕170年にあたるのが、グリーグです。

北欧の音楽家の第一人者と言ってもよいくらいの作曲家で、かつて紙幣の肖像画にもなっていました。「ペールギュント」やピアノ協奏曲などの代表作があります。

コン・ヴィヴァーチェのサイトでは、以下のような記事があります。

ピアノのしらべ:グリーグ作曲 抒情小曲集 OP54-4「夜想曲」
無料楽譜でピアノレッスン:グリーグ作曲「ペールギュント」より「朝」

生誕140年にあたるのは、ラフマニノフです。2メートルを超す長身で、手もとても大きった作曲家です。

コン・ヴィヴァーチェのサイトでは、以下のような記事があります。

ブログ:ラフマニノフ自身の演奏によるピアノ協奏曲第2番
ピアノ曲・人気楽譜ランキング: ラフマニノフ

次は、没後として記念年にあたる作曲家です。

没後370年にあたるのは、モンテヴェルディです。

イタリアの作曲家で、1607年という古い時代に「オルフェオ」というオペラを作曲したことでも知られています。

没後150年にあたるのは、バイエルです。

ドイツの作曲家で、ピアノの教本として真っ先に名前が挙がる「バイエル教則本」の作曲家として有名です。

没後120年にあたるのは、チャイコフスキーとグノーです。

チャイコフスキーは「白鳥の湖」などバレエ音楽を数多く作曲しましたし、グノーは「アヴェ・マリア」の作品で有名ですね。

コン・ヴィヴァーチェのサイトでは、以下のような記事があります。

ピアノのしらべ:チャイコフスキー作曲「くるみ割り人形」より「花のワルツ」
ピアノのしらべ:チャイコフスキー作曲「くるみ割り人形」より「行進曲」
ピアノのしらべ:チャイコフスキー作曲 四季より「秋の歌」
チャイコフスキーのお墓:ヨーロッパ音楽紀行・ロシア・サンクトペテルブルグ
ブログ:第14回 チャイコフスキー国際コンクール
ピアノ曲・人気楽譜ランキング: チャイコフスキー
ピアノのしらべ:グノー作曲「アヴェ・マリア」

そして、脚光を浴びそうなのが、没後110年にあたる瀧廉太郎です。1879年に生まれ、わずか24年で生涯を終えた作曲家です。

現在の東京芸術大学の前身である、高等師範学校附属音楽学校で学び、その後ドイツのライプツィヒに留学して研鑽を積みました。

「荒城の月」や「お正月」「鳩ぽっぽ」など、日本人で彼の作品を知らない人はいないと言っても過言ではない程、昔から親しまれています。

クラシック音楽は、ヨーロッパが本場なので、ドイツやイタリア、フランスなどに目が向きがちですが、このように日本にも素晴らしい作曲家がいたことを、再認識させられます。

これを機に、彼の作品を改めて聴いてみるのも良いかもしれません。

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(この記事は、第116号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、ストリングラフィという楽器を使用したコンサートのお話です。

オーケストラのコンサートなどへ行きますと、実に色々な楽器があることを改めて感じることがあります。

ヴァイオリンやチェロなどの弦楽器に、クラリネットやフルート、トランペット等の木管・金管楽器、ティンパニなどの打楽器もあります。また、オーケストラにはなかなか登場しませんがハープやマリンバ、また学校の授業等で使用するリコーダーや鉄琴、ハーモニカなども、よく知られた楽器です。もちろん、一番演奏している方が多いピアノも忘れてはいけません。

これらの楽器以外に、琴や三味線など日本独自の楽器もたくさんあり、他の国にもそれぞれ独自の楽器がありますから、膨大な種類の楽器が存在していることになります。

先日は、ストリングラフィという楽器のコンサートへ行ってみました。この楽器の名前は聞いたことが無い方が圧倒的に多いと思いますが、実は小さい頃に遊んだ経験のある方は多いと思います。

これは、糸電話の楽器なのです。

私も小学生の頃、学校の授業で作って遊んだ経験があります。2つの紙コップに糸を通し、ピンと張った状態で紙コップの底に向かって話すと、もう片方の紙コップから声が聞こえてくるものですね。

この原理を応用して、スタジオ中にたくさんの糸電話を並べ、音階を作って演奏するのがストリングラフィという楽器なのです。

この楽器を考案した作曲家など4人の演奏者が、楽器の説明やお話も交えながら、次々と色々な演奏をしました。

絹糸で作られたストリングラフィを指ではじいて音を出しますので、ハープや琴の音に近い感じがします。ヴァイオリンなどの弦楽器で、弦をはじいて演奏するピチカートに近いとも言えますね。

コンサートでは、パッヘルベルのカノンなどのクラシック音楽や、お子様に人気の曲などが演奏され、後半には体験コーナーもあり、実際に触って音を出すことができました。

ソプラノ、アルト、バスの3パートがありますが、スタジオ全体が楽器になりますので、聴衆は、その間に座って聴く形になります。すぐ横で演奏されるので、間近で見て聴くことが出来ます。こんなに近くで演奏を聴けるのは本当に珍しいと思います。

また、通常のコンサートでは、「未就学児は不可」などお子様が聴きに行けない事も多いのですが、このコンサートはなんと0歳児から楽しめるという事で、あちこちで小さなお子様連れのお客さんも見かけました。

小さい頃から生の演奏を聴くのは、とても良い体験になると思います。

実際にどのような音なのか、ご興味がある方は一度お聴きになってみるのも良いかもしれません。定期的にコンサートも行われていますし、インターネットで「ストリングラフィ」のキーワードで検索すると、動画などを見ることもできます。

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(この記事は、第112号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、作曲家とも深い関係がある料理のお話です。

レストランへ食事に行く時、フレンチにしようかイタリアンにしようか、インド料理もいいなぁなど、国の名前で料理を呼ぶことも多いと思います。

和食は少し違う気もしますが、海外では「日本食レストラン」と呼ばれていますから、同じように国の名前で料理がイメージされているのでしょう。

しかし、「オーストリア料理」となりますと、料理のイメージが全く湧かない方も多いのではないでしょうか。

オーストリアはドイツ語圏でもあり、ドイツ料理との共通点が多いのですが、チェコやハンガリーの影響も受けています。

先日、都内でそんなオーストリア料理を食べてきました。

スープは、「フリターテンズッペ」というクレープの細切りが入ったコンソメスープです。オーストリアの定番料理ですね。以前オーストリアへ行った時には、カフェのランチセットでも出てきました。スープに春雨を入れた中華系のスープはありますが、クレープのようなものを入れるのは珍しいと思います。

スープの後は、「シュペッツレ」というドイツの手打ち生パスタが出て、その後がメイン料理の「グーラシュ」です。

グーラシュは、牛肉と玉ねぎやパプリカを煮込んだシシチュー料理で、「愛の夢 第3番」で有名なリストの生まれ育ったハンガリーが起源の料理です。チェコやオーストリアでもよく食べられています。

歌曲「野ばら」や「魔王」などで有名なシューベルトも、友人たちに振る舞うために、このグーラシュを作っていたそうです。今では弁当男子という言葉があるくらい料理をする男性も多いのですが、当時は珍しい方だったのかもしれませんね。

ちなみにシューベルトは、牛肉だけでなく、肝や腎臓も入れてアレンジしていたそうです。

このグーラシュには、ザワークラウトというキャベツの酢漬けが、付け合せに出てきました。ドイツ料理によく出てきますが、ショパンが生まれたポーランドの定番料理でもあります。

ポーランドでは、冬から春にかけて野菜や果物があまり収穫できないので、夏頃から保存食を作ります。その代表的な料理がザワークラウトなのだそうです。酢や白ワインなどで煮詰めるので、とろっとして食べやすくなります。

グーラシュもザワークラウトも伝統的な定番料理なので、クラシックの作曲家たちも日常的に食していたと思います。

食文化を通して作曲家を身近に感じることも、面白いのではないでしょうか。

これらの料理のレシピも、色々なところで見ることができますので、お料理が好きな方や興味がある方は、実際に作ってみるのも良いかもしれませんね。

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