(この記事は、第106号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回の「たのしい音楽小話」は、(パイプ)オルガンコンサートのお話です。
大都市圏を中心に、日本にも大きなコンサートホールが多数ありますが、その多くにはパイプオルガンが設置されていると思います。
何本ものパイプが整然と並び、ライトに照らされて輝く様には目を奪われますし、楽器自体がかなり大きいため、とても印象に残りますね。
しかし、ピアノリサイタルやオーケストラなどのコンサートは聴いても、オルガンとなりますと、コンサートを聴く機会は少ないのではないでしょうか。
クラシック音楽が、いつ、どこで誕生したのかは明らかになっていませんが、グレゴリオ聖歌の誕生を1つのスタートラインとしています。グレゴリオ聖歌は、教会のミサなどで、キリストに捧げる音楽として、オルガンの伴奏に合わせて歌われていたようです。
かの有名なJ.S.バッハは、多くの音楽を作曲していますが、バッハ自身も教会のオルガニストとして活躍していたこともあり、キリスト教に関わる宗教的な音楽が多く、オルガンの曲もたくさん作曲しています。
このように、クラシック音楽は、ある意味キリスト教やオルガンと深い関わりがあると言えます。
先日、東京オペラシティ・コンサートホールで行われた「ヴィジュアル・オルガンコンサート」を聴きに行ってきました。このコンサートは、毎月1回お昼の時間帯に開催されているもので、入場無料です。
45分間という長さのコンサートなので、ちょっと試しに聴いてみたい方や、長時間のコンサートを聴くのは自信がないという方にも、良いのではないでしょうか。
大ホールは2階席までしか解放されていませんでしたが、想像以上に多くの方が聴きに来られていて、平日のお昼という時間帯や、お盆に近い日にちにも関わらず、8割くらいの席が埋まっているようでした。
中高年の方々が多かった気がしますが、2・30代の若い女性や、夏休みという事もありお子様連れのご家族もちらほらと見かけました。
東京オペラシティに設置されているオルガンは、パイプ総数が3826本で、大きいものですと、人の頭部くらいの直径のパイプまであります。
たくさんのパイプの中からどれを使うのか、ストップと呼ばれるボタンを操作して選び、音量の操作を足で行いながら、3段ある鍵盤と足鍵盤を両手・両足で巧みに操って演奏をします。
このコンサートでは、その演奏の様子を2台のカメラで撮影し、舞台上のプロジェクターに映していました。通常のオルガンコンサートでは、このような映像を滅多に見ることができませんので、とても面白いと思います。
この日は、グレゴリオ聖歌を元に作曲された1600年代の作品やJ.S.バッハのコラール、そして近代の1900年代の作曲家の作品や現代作品まで、幅広い年代の音楽を演奏していました。
演奏の合間には、オルガニスト本人からの曲の解説もあり、とても分かりやすかったです。
馴染みのあるピアノのコンサートも良いのですが、たまには違う楽器のコンサートを聴くというのも、音楽の楽しみ方が広がりますので、良いと思います。
ホールがある建物の中にはレストラン街もありますので、コンサートを聴いた後に余韻を楽しみながらランチを頂くというのも、素敵なひと時かもしれませんね。
(この記事は、第105号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回の「たのしい音楽小話」は、気軽に楽しめるピアノ生演奏のお話です。
普段、保育園・幼稚園生から70代の方々まで、とても幅広い年代の生徒さんのレッスンをしていますが、ピアノや音楽が好きな生徒さんでも、生の演奏を聴く機会はかなり少ないようで残念に感じています。
確かに、人気のある演奏家や海外の演奏家の場合には、なかなかチケットが入手できなかったり、チケット代がかなり高額になる事もあります。また、就学前のお子様は不可という事がとても多く、コンサートホールの場所が遠かったり、平日の夜に行われることも多いので、お仕事やご家庭の都合で行けないという声もよく聞きます。
音楽を楽しむのも、実は色々なハードルがあるのですね。
今はインターネットなどで、自宅で好きな時間に音楽を楽しめますが、生の音楽には、また別の良さがあり、醍醐味も味わえます。本当は生徒さん方も、そのような機会にたくさん触れられますと、ご自分の演奏にもとても良い刺激になると思うのですが。
そこで、おススメなのが、ピアノの生演奏を聴きながら、お食事も楽しめるベーカリーレストラン サンマルクです。
北海道から九州までお店を展開していますので、ご利用になったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ランチ営業もしていますが、ピアノの生演奏が楽しめるのは夜のディナータイムのみです。お店によって多少異なるようですが、週末などはピアノとフルートなど、他の楽器とのアンサンブルも楽しめるようです。
年齢を問わないカジュアルレストランなので、ご家族揃って、また親子3世代でも楽しめると思います。
特に曲のジャンルが決まっているわけではないようですが、クラシック音楽を演奏することが多いらしく、よく知られている有名な曲が演奏されることも多いようです。
お誕生日や結婚記念日などイベント事で利用されている場合には、リクエストした曲を弾いてくれますし、お誕生日の場合には、ハッピーバースデーも演奏してくれます。
お食事はコース仕立てですが、パンの食べ放題が名物で、小さなサイズのテーブルパンが焼き立てのアツアツ状態で楽しめます。
ご家族で気軽に音楽を楽しめる場所として、また音楽と共にお食事を楽しむ場所としても良いかもしれませんね。
(この記事は、第103号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回の「たのしい音楽小話」は、音楽祭についてです。
クラシック音楽のコンサートは、1年中日本各地で行われていますが、一流の演奏家のコンサートとなりますと、東京や大阪など大都市に限られてしまうことが多いかと思います。日程や交通の便など諸事情があるのでしょうが、演奏家やプログラムが魅力的でも、遠いため行けないのは、ちょっと残念ですね。
そんな時には、音楽祭に行ってみましょう。
音楽祭と言いますと、ザルツブルク音楽祭やバイロイト音楽祭などが有名で、海外で行われるイメージが強いかもしれません。しかし、実は日本でも、北は北海道から南は九州まで、全国的に開催されているのです。
これから開催される音楽祭を少し挙げてみました。
北海道の札幌で行われるパシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)は、世界的な指揮者であるレナード・バーンスタインの提唱で始まった音楽祭です。今年は、7月7日から8月4日まで開催されます。
長野県の松本では、8月4日から9月にかけて サイトウ・キネン・フェスティバル松本が開催されます。小澤征爾さんが総監督を務める音楽祭で、小澤征爾さんの先生で日本の演奏家を多く育てた斉藤秀雄を記念して結成されたサイトウ・キネン・オーケストラの演奏を聴くことができます。
群馬県の草津では、8月17日から30日まで草津夏期国際音楽アカデミーが開催されます。音楽監督は、ヴァイオリニストの豊田耕児さん、実行委員長を音楽評論家の遠山一行さんが務め、日本で最初の夏の音楽アカデミー(講習会)とフェスティバルから成る音楽祭です。今年は、生誕150年で話題となっているドビュッシーとモーツァルトがテーマです。
鹿児島県では、7月18日から8月5日まで霧島国際音楽祭が行われます。音楽祭のために1994年に建てられた霧島国際音楽ホールは、国際音響学会で「奇跡のホール」と称賛されています。
また、既に終了してしまいましたが、大分県で開催される別府アルゲリッチ音楽祭も有名です。
いずれの音楽祭も、一流の演奏家を目指す若手演奏家が、更なる研鑽を積むためのマスタークラスというレッスンが公開されたり、その音楽祭の時だけに結成されるオーケストラの演奏を聴くことが出来ます。
指導される世界の音楽アカデミーの教授や演奏家のコンサートも開催され、普段のコンサートとは一味も二味も違ったものになっています。未来の巨匠となる若手演奏家のレッスン風景を見るのも楽しみですし、もちろん世界一流の演奏家の演奏を聴けるのも魅力的です。
今回ご紹介した音楽祭は、いずれも夏休みの時期に開催されますので、夏休みの楽しい思い出にもなりそうですね。一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。
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