(この記事は、第246号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、最近のピアノレッスンの様子です。

春という季節は、ピアノ教室にとって1年の締めくくりの時期であると同時に、新年度の準備をする時期でもあります。

学校は、4月から新年度になりますが、音楽教室は5月からです(教室にもよりますが)。ゴールデンウィークがありますから、5月の2週目からという方が正しいかもしれません。

学生の生徒さんは、4月に進学/進級しますと、生活のスケジュールが変わり、それに伴ってレッスンの日時の変更を要望される方が出てきます。特に近年では、小学校4年生くらいから、中学受験に向けて塾通いを始める生徒さんが多いため、塾のスケジュールに合わせて、ピアノのレッスンも変更が必要になります。

パズルのように、このタイムスケジュールの組み替えを行っています。

また、新しい生徒さんもお迎えしました。個人レッスンのピアノ教室には、一年中いつでも入会することができるわけですが、やはり春は入会される方が多くなります。

今回お迎えしました新しい生徒さんについて書いておきます。

1人目は、小学生の生徒さんです。以前から個人のピアノ教室に通われていましたが、先生が体調を崩してしまい、今年一杯レッスンが出来ないとのことで、お婆様と一緒に体験レッスンに来られました。

しばらくピアノを弾いてなかったようで、最初は少し緊張した表情でしたが、弾き始めますと楽しそうな表情に変わっていきました。ブランクがありますと、ピアノを弾く時のタッチが浅くなる事がありますが、わりとしっかりとしたタッチで弾いていました。

体験レッスン後、すぐに入会の申し込みをされ、翌週にはレッスンが始まりました。

大人しい印象の生徒さんでしたが、レッスンが始まりますと、塾の事などいろいろとお話するようになり、緊張することもなくレッスンを受けられるようになりました。

2人目も、小学生の生徒さんです。同じ教室の他の先生のレッスンから移動されてきました。

日時が合わなくなったとの理由ですが、どうもそれだけではなく、先生とあまり合わなかったようです。

個人レッスンなので、先生との相性の問題が起きることがあります。特に、もっと上手になって欲しいと思う先生の情熱と、もっと楽しくピアノを習いたいと思う生徒さんの気持ちがすれ違ってしまうことは珍しくなく、私もこれまでに、何人もそのような生徒さんを受け入れてきました。

今回の生徒さんも、もう少し楽しくピアノのレッスンをしたかったようです。ベテランの先生の生徒さんだったので、少し戸惑いましたが、生徒さんが長くピアノを好きでいてくれればと思い、受け入れることにしました。

お話し好きですが集中力があり、弾けない所の部分練習では、「もう一回、もう一回」と言って、弾けるようになるまで黙々と練習を続けられる生徒さんです。

今年の発表会では、かなり難しい曲を弾く事になりましたが、持ち前の集中力で乗り切ってくれると信じています。

3人目は、大人の生徒さんです。仕事場が変わり、これまでの教室に通う事が出来なくなったとの事でいらっしゃることになりました。

ショパン好きで、マズルカやワルツなどを弾いてこられ、それらの曲でグレードにも挑戦され見事合格されたそうです。

体験レッスンでは、以前弾いていたマズルカを弾いていただき、細かい所を少し修正したので、レッスンではその続きをしながら、他の曲にもチャレンジすることになりました。

お子様の生徒さんは、夏に発表会があり、この時期は、発表会で弾く曲を決めて練習を始める時期でもあります。

特に今年は、1カ月以上も早い開催になりました。毎年、7月中旬から下旬に発表会を行ってきましたが、今年は6月初めの開催になります。

レッスンでは、「今年は、発表会がとても早い時期だから、発表会の曲のレッスン回数もこれしかないのよ。だから頑張ろうね」と声をかけています。

生徒さん方も頑張っていて、発表会の曲を決めた後の最初のレッスンで、全て譜読みを終わらせてきた生徒さんもいたほどです。小学校高学年くらいになりますと、かなり先を見通せるようになりますので、のんびりしていたら間に合わないと思い、練習に身が入るようです。

発表会本番まで、レッスンの回数が少ないので、私も1回1回のレッスンをより大切にして、短時間で上達できるように心がけています。

ゴールデンウィーク期間も、帰省や行楽などで楽しく過ごして頂きたいと思いつつ、ピアノの練習も欠かさずに行ってほしいと思っています。

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(この記事は、第239号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、小さなお子様のお母様からのご相談です。

最近、幼稚園生のお母様から、相次いでご相談を頂きました。一人の方は、お子様にピアノを習わせていて、もう一人の方は、現在習わせていません。

はじめに、個人のピアノ教室に通っている幼稚園生のお母様からのご相談です。相談内容は、「ピアノの先生にグレード受験を勧められたが、必須なのか」というものでした。

グレードは、水泳や英語の「級」などにあたるもので、お子様の習いごとにはよくあるものですね。お母様は、初めてグレードを勧められたようで、何もわからず戸惑っているようでした。

グレードには、いろいろな種類があり、ピアノの演奏のみで受験できるものもあれば、演奏以外に音を聴いて何の音か当てる聴音や、数小節のメロディーをその場でアレンジして演奏する即興演奏、初めて見る楽譜をその場で即座に弾く初見演奏などが受験科目にあるものもあります。

今回勧めされたグレードは、従来からあるヤマハのグレードと、日本では「知る人ぞ知る」という認知度ですが世界的にはメジャーな英国王立音楽検定でした。

どのグレードを受けるにしても、まずはグレードの目的を理解することが重要です。

お子様がピアノ教室に通っていても、どのくらいピアノが弾けるのかは、ご家族でもなかなかわかりにくいものです。お子様が小さい頃は、お母様がレッスンに同席している事が多いので、レッスンの進度をある程度把握できていても、小学校3・4年生くらいからは送り迎えのみで、レッスン終了後に少しレッスン内容をお話しするくらいとなり、小学校高学年となりますと、お子様一人で通う事が多いので、ますますレッスンの進度や内容を把握しにくくなり、お子様の演奏技術についてもわかりにくくなります。

レッスンで行っている事が、着実に身に付いているのか、お子様が成長しているのかを客観的に把握したり、お子様のピアノの強みを見つけたり、今後の課題を明確にするためにグレードが利用されている事を、まずはお話しました。

様々なグレードの中から、特定のグレードを先生がお勧めされているのは、「このグレードは良い!」という先生なりの経験や分析があるのでしょうというお話もしました。

そして、グレードが必須なのかについては、大手の音楽教室などでピアノの先生になりたい場合は、指導者用のグレード取得が求められることが多い事や、お子様が将来、中学や高校受験などをする場合、特技としてグレードを持っている事が役に立つかもしれないという事をお伝えしました。

ただ、グレード受験をする場合、それなりの準備期間が必要で、現在使っている教材をいったん中止することもあり、教材の進度に影響する場合がある事もお話しました。

ご相談を頂いたお母様は、お子様が楽しくピアノを弾いているだけで十分というお考えでしたので、今回はグレード受験をお断りするという結論になりました。

次に、ピアノを習わせていないお母様からのご相談です。相談内容は、「お子様がピアノに興味がありそうだが、習わせようか迷っている」というものでした。

お子様と出かけた際に、電子ピアノが置いてあると、決まってジャンジャン音を出して楽しそうなのだそうです。お子様はピアノが好きそうでも、お母様ご本人は全くピアノの経験がなく、学生時代も音楽がさっぱりできなかったので、こんな状況でも習わせられるのかと思っているようでした。

これまで多くのお子様のレッスンをさせていただいていますが、お母様やお父様がピアノを弾けたり、昔ピアノを習っていた方もいますが、そうでない方も大勢いらっしゃいます。

お母様には、そのことをお伝えし、小さいお子様の場合、ピアノの個人レッスンとグループレッスンの2つの選択肢があることと、それぞれのメリットやデメリットのお話をしました。

今回の場合、お子様の性格から、「個人レッスンで、少し厳しくレッスンをしていただける先生の方が良いかも」とおっしゃっていました。

また、ピアノの発表会についての質問も出ました。「ピアノの発表会は、レッスンとは別に会費など、どのくらいかかるのか」という内容でした。

クラシックバレエだと、会費の他に先生へのお礼などがあって、5万円くらいかかるらしいという話もされていました。

クラシックバレエの発表会については、よく知りませんが、ヘアメイクや衣装などがそれなりにかかるという話は聞いたことがあるので、それをお伝えしました。

ピアノの発表会では、昔と違ってお子様のドレスがだいぶ手軽な価格で購入できることや、1回着ただけでおしまいというのはもったいないので、何回か同じドレスを着る方もいらっしゃったり、お友達同士でドレスを貸し借りする事もあるというお話、また、ワンピースなどを着て出演される方もいて、発表会後はお出かけ着として使うという話もしました。

ピアノの発表会は、教室によって毎年行う所もあれば、2年に1回などのサイクルで行う所もあり、発表会費や先生へのお礼も教室による事をお伝えしました。

お子様の発表会は全員参加が基本ですが、お子様が発表会に出ることを本当に嫌がっている場合、レッスン回数に含まれている事をご了解いただいた上で見学などの対応になる事もあるというお話もしました。

いろいろと疑問が解消されたようで、少しすっきりとした表情で、「近所のピアノ教室を探してみようかな」とおっしゃっていました。

ピアノを現在習っている方も、興味があるという方も、いろいろな場面で様々な疑問が出てくるものです。私も出来る限り相談に乗って、疑問が解消されたり、いろいろなお手伝いができればと思っています。

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(この記事は、第233号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、大人の生徒さんの発表会の様子です。

先日、大人の生徒さんの発表会が行われました。台風が日本列島に近づいていて、その日の深夜には東京に最接近するという予報でしたので、発表会の開催自体を心配していましたが、予定通りに行われました。

前日、初めて発表会に参加される70代の生徒さんから、「先生とお話がしたい」と事務所に電話があったと連絡をもらいました。

この生徒さんは、数日前の最後のレッスンの時に、発表会が近づいてきた実感が湧いてきたのか、妙に緊張した面持ちでレッスンに来られ、弾いてみても、これまでスムーズに弾けていたところで何か所もミスをしていました。

これまでのレッスンでは、着実に曲をまとめてきていましたので、本来の力が発揮できれば何の問題もなく、あとはお気持ちを強く持っていただければと思い、「十分弾けていますから、大丈夫ですよ」と励ましました。

その事を思い出し、今でも緊張が続いているのかと心配して電話をいたしました。

お話を聞いてみますと、数日前から突如持病が再発して、腰が痛いとの事でした。悪化してくると、腰が曲がってしまい、まっすぐにならないらしいのです。

腰痛の時に使用するベルトを付けているようですが、一向に良くならず、台風が近づいているので、益々酷くなるかもと心配されていました。

「一生懸命練習をして、幾分か良くなってきたというのに・・・」と、ご本人も非常に残念がっていましたが、今回は不参加という事になってしまいました。

さて、発表会当日ですが、台風が近づいているという事で安全の為、前半が終わるとすぐに前半演奏した方の集合写真を撮り、前半の方が解散してから、後半を行うという進行になりました。

生徒さん方は、予定通り会場に到着していましたが、それほど緊張した感じでもなく、落ち着いた様子でした。

開演前は、生徒さん方にお声がけをしたり、舞台近くで記念写真を撮ったり、1年ぶりに再会した他のピアノの先生と近況報告をして過ごしました。

発表会は、スムーズに進行しました。

前日の連絡で持病のため不参加を決めた生徒さんが、本来は1番の演奏順でしたが、2番目の生徒さんから演奏が始まることになります。

この2番目の生徒さんには、「明日の発表会で、1番目の方が欠席になりましたので、最初に演奏することになりますので、ご承知おきください」とメールで連絡をしていたのですが、ご覧にならなかったそうで、出番前に知って、少し動揺されていました。

実際の演奏では、思わぬところでミスが出てしまい、最後の方は良かったものの、少し惜しい演奏になってしまいました。

他の難しい名曲にチャレンジした生徒さんは、レッスンで毎回録音をされていて、ご自宅でもかなり練習をされていたようで、発表会1か月半前くらいから、急にめきめきと上達をされていました。本番でもかなり健闘されていて安心しました。

今回、初めて大人の発表会に参加された大学生の生徒さんは、この日のためにインターネットでドレスを購入したのですが、サイズが合わず、ご実家から以前着ていたドレスを送ってもらったものの、そちらもサイズが合わず、急いで他のお店でドレスを購入されたとの事でした。

普段着る洋服でも、サイズをチェックしているのに、いざ着てみると合わないという事があります。

ドレスの場合、生地の伸縮性や、どのくらい裾が広がるか、肩や脇の開き具合など、実際に着てみますと、インターネットの写真のイメージとは異なる事が意外と多いものです。

この生徒さんは、ドレスのハプニングも影響せず、かなり普段通りに弾けていましたが、後のレッスンで聞いてみますと、お辞儀をして椅子に座った途端に、急に「ぶわ~っと」緊張してビックリしたと話していました。

また、靴のヒールが思ったよりも高く、気になって弾きにくかったとも話していました。

ドレスや出番のハプニングに見舞われた生徒さんがいらっしゃいましたが、なんとか発表会は無事に終えることが出来ました。

今回、不参加になってしまった生徒さんは、本当に残念でしたが、来年はハプニングもなく、みなさん全員が揃って満足感をもって発表会が行えることを願っています。

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