(この記事は、第143号のメールマガジンに掲載されたものです)

3月も半ばを過ぎて、日中はだいぶ暖かくなってきました。

今年は、東京でも大雪が降り、本当に寒い日々でしたので、この暖かさは ほっとしてありがたく感じますし、春が近づいてきている感じもします。

しかし、春は花粉症の季節でもあるので、少し憂鬱な気分にもなります。

昨年に比べて、花粉の量は半分と言われますが、それでも確実に花粉は飛んでいるようで、ここ数日は、明け方から鼻がズルズル、日中は目の痒みにも悩まされています。

生徒さんの中にも花粉症の方がいますが、昨年よりも症状が重いという生徒さんもいますので、体質によって感じ方は違うようです。

マスクをしてピアノのレッスンをすることもありますが、生徒さんもマスク姿で、「お互いに辛いですね~」と話しています。他の方が見たら、少し不思議な風景に写るかも知れません。

ピアノ教室にとって春は、新しい生徒さんを募集する季節でもあります。

そんな中、少し前ですが、1歳児を対象とした体験レッスンを見学してみました。

この日は大雪が降り、かなりの悪天候でしたので、グループレッスンですが2人参加という少人数でした。

ようやく立つ事が出来るようになって、あちこち歩き回るお子様のレッスンが、どのようなものなのか とても興味深く拝見しました。

体験レッスンなので、通常よりも若干短めですが、歌やリズム、鑑賞などがあり、なかなか盛りだくさんの内容でした。

色合いのきれいな絵本のような楽譜を見ながら、歌を歌ったり、お母さんのひざに座って音楽に合わせて体を動かしたり、毛糸やグロッケンなどの楽器を使っていました。

本当に小さいお子様なので、先生のお話や指示通りにはなかなか動かず、歩き回ってしまうこともありますが、それでも先生が笑顔で受け止めていらしたのが とても印象的でした。

1歳で音楽のレッスンというのは、あまり想像がつかないかもしれません。しかし、まだ楽器の演奏は難しくても、音楽を聴く姿勢や興味を育てていくのに、早すぎるということは無いようです。

先生がピアノを弾き始めますと、クラシックのピアノ曲で、しかも静かな感じの曲にも関わらず、お子様2人共が静かに聴いていたのには驚きました。

「環境が人を育てる」という言葉がありますが、音楽が常に身近に流れていて、家族で音楽に親しんでいる環境が、お子様のより良い刺激になり、音楽が好きになったり、音楽が趣味になり、そして音楽関係の職業に結びついていくのかもしれません。

特に、お子様をピアノ教室に通わせている場合、ピアノの上達や練習ぶりばかりに目が向きがちですが、一緒に音楽を鑑賞して楽しむ時間も取り入れますと、より良い音楽環境に繋がるように思います。

そんなことを感じたひと時でした。

お子様をピアノ教室に通わせる:何歳からピアノを始めるべきか

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(この記事は、第139号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「ピアノ教室の出来事」は、ベヒシュタインのピアノを購入された大人の生徒さんのお話です。

以前、大人の生徒さんのピアノ選びで、ピアノ購入までの様子をご紹介しました。

ベヒシュタイン社は、世界3大ピアノメーカーとしても有名で、ピアノの中でも最高級品のピアノを製造しています。

そのようなピアノを購入された生徒さんのその後が、とても気になっていました。

その生徒さんが、先日、今年初めてのレッスンにいらっしゃいました。

新年の挨拶もそこそこに、早速練習している曲を弾き始めました。

昨年11月の発表会が終わってから練習を始めた、新しい曲です。

昨年最後のレッスンでは、全体の3分の1くらいが、ゆっくりと弾ける感じでした。

しかし、今回弾き始めますと、とても順調で、あれよあれよという間に、とうとう最後まで弾き切ってしまいました。

「すごいですね。最後まで弾けちゃいましたね。いや~、ビックリしました。」

「そぉ? 後ろの方って、最初と一緒だしねえ~」と、大したことじゃないという雰囲気を出しつつ、それでも、どことなくニコニコしながらお返事されました。

「確かに、後ろの方は、最初の部分と同じ所もありますけど・・・。でも年末年始って、時間があるようで色々とバタバタする事が多いので、練習が進まない方が多いですからね。それを考えますと、すごいですよ。」とお話しますと、

「まあ、練習しましたから、毎日ね。」

「あぁ~、そうですよね。そのくらい練習していないと、こんなに進みませんよね。演奏を聴いているとわかりますよ。ご自宅にあるピアノはいかがですか?」

「やっぱり良い音だよね、本当に。毎日弾きたいって思うもんね。」

「そうですかあ、良かったですね。」

「先生が、薦めてくれたからね。おかげ様で・・・」

「いやいや、○○さんにピッタリだと思ったので、ちょっとお話しただけですから。(ご購入の)思い切った決断をされたからですよ。でも、満足されているようで、私も嬉しいです。」

今まで使用していた電子ピアノは、下取りには出さず、そのままご自宅に置いてあり、今でも使っているそうですが、「新しい曲を、ちょっと譜読みする時くらいだよね」とおっしゃっていました。

やはり、生のピアノの音、しかも自分が気に入ったピアノの音色に出会うと、より深くピアノの素晴らしさ知ったり、これまでの考え方にも良い意味で変化をもたらしてくれるようです。

レッスンの最後には、

「先生、もっとみんなにピアノ(の購入を)薦めたほうがいいよ。私も、もっと早く買えばよかったって思うもん。」とまでおっしゃっていました。

これまで、「ピアノは必要ない、電子ピアノで十分」とおっしゃっていたので、お考えがとても変わってビックリしました。

ピアノはとても高価なものなので、なかなか難しい面も多いのですが、これからも色々なピアノが弾けたり、音色が聴ける機会を見つけて、どんどん生徒さん方にご紹介していければと思います。

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(この記事は、第137号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「ピアノ教室の出来事」は、年末のピアノレッスンのお話です。

いよいよ、今年も残りわずかとなりました。

小さい頃は、クリスマスにお正月とイベント続きのこの季節はワクワクして楽しい気分になったものですが、大人になりますと、そのような気分になる一方で、あと少しで今年も終わってしまうという焦りのようなものを感じます。

昔と違って、ハロウィンが終わると早々にクリスマスの飾りを見かけるので、クリスマスツリーを見て焦るという事はありませんが、12月に入って生徒さんへ送る年賀状の準備を始めると、今年も残り少ないことを感じます。

なんとなく、バタバタとせわしない気分になりますが、ピアノ教室に来られている生徒さん方も、どうも同じような心境のようです。

「特に何をするという事でもないんだけど、なんとなく気忙しくて・・・」とおっしゃる生徒さんもいます。

私のクラスでは、そのような事もあり、月2回の大人の生徒さんは、12月中旬にレッスンを終了し、年明けは1月中旬くらいからレッスンを行うようにしています。

そのため、先週から年明けのレッスン日を決めたり、今年1年の挨拶をしています。

年末年始のご予定を生徒さんに聞いてみますと、今のところ、特に決まっていない方が多いようですが、毎年旅行に行かれている方もいて、羨ましい限りです。

お子様は、まだ最後のレッスンが残っていますが、気分はクリスマス一色の様です。

小学5年生の生徒さんに、「クリスマスがもうすぐね。楽しみよね!」と話しますと、

「もう来た!」

「えっ!?」

思いがけない返答に戸惑いつつ、慌てて「あっ、そうなの。あら~いいわね。」と言葉を続けました。

この生徒さんは、サンタの正体を知っているのですが、知ったときの衝撃は相当大きかったようです。

もうだいぶ経つのですが、今でも「サンタさんの正体はママです。って言われた時、本当にショックでね…」と話しています。

「そうだったの。見つからないようにするのって、難しいのよね。大きくなって、○○ちゃんがお母さんになったら、見つからないように頑張ってね。」

と、あまり上手なフォローになっていませんが、このような言葉をかけました。

この生徒さんには、年の離れた弟さんがいるのですが、まだ小さいので、

「サンタさんって、ホントに、ホントにいるの? って聞いてくるの」

と、クスッと笑いながら話していました。

「○○ちゃんは、サンタさんのこと、もう知っちゃったけど、弟くんはまだ小さいから、内緒にしておいてあげようね!」

「うんっ!」

サンタ役も、なかなか難しいのですね。

小学1年生の生徒さんの場合は、クリスマスが楽しみな一方で、少し微妙な気持ちを抱いているようです。

なんと、「サンタさんが怖い!」というのです。

これもまた想定外の答えに驚きつつ、聞いてみますと、

「だって… 暗いときに来るし、姿が見えなくて怖い!」

なるほど、確かに得体の知れないものなので、恐怖心を持つという捉え方もあるのだと思いました。

「夜は、◇◇ちゃんが寝てるから、起こすわけにもいかないじゃない? サンタさんも、たくさんのお家へ行かないといけないから、忙しいのよ!」

「そうか!」

普段から多くのお子様と接していますが、答え方が難しい話題だと思いつつ、しかし、物事の捉え方は、人によって大きく異なることを改めて感じる季節です。

いずれにしても、皆様にとって、楽しいクリスマスになることを願っています。

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