(この記事は、第105号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「ピアノ教室の出来事」は、お子様の公開レッスンのお話です。

ピアノ教室では、通常一人の同じ先生が毎週レッスンを行う個人レッスンが基本になっています。毎回、同じ先生がレッスンをすることで、生徒さんも徐々に慣れてきて、距離感も縮まり、信頼関係も深まってきます。

レッスンをする側も、同じ生徒さんをずっと担当する事で、生徒さんの性格や考え方、理解の仕方など、様々な面を知ることができます。そして、生徒さんの理解がより深まるように、言葉や伝え方などを工夫することもできます。

先日、ピアノ教室に通うようになって3年ほど経つ小学生の生徒さんが、他の先生のレッスンを受けることになりました。来月行われるコンサートに向けた公開レッスンです。

ピアノを専門に勉強している音楽大学の学生さんなどは、公開レッスンを受けたり、聴講する事はわりと頻繁にあるものですが、ピアノ教室では、公開レッスン自体をご存じない方も多いものです。

この生徒さんも知らなかったようで、もちろん受講することは初めてです。

「来月、本番があるでしょ。その前に、他の先生が○○ちゃんのピアノをレッスンしてくれるのよ。良かったね。」とお話しますと、

「えぇ~っ、やだ~、先生がいい~。」

「まあ、普段のレッスンを気に入ってくれてありがとうございます。でもね、違うの。その先生のレッスンは今度の1回だけなのよ。他の先生が、○○ちゃんのピアノを聴いて色々とアドバイスをしてくれるのよ。」

「なんだ、先生が変わっちゃうのかと思った。」

そして公開レッスンの日になりました。

普段のレッスンでは、とてもお話好きな人懐っこい生徒さんですが、初めて会う先生で、しかも公開レッスンという事もあり緊張しているようでした。

しかし、先生のお話を一生懸命聞いていましたし、レッスン時間の中で演奏がどんどん変化していく様子が見られました。

指導する側も、他の先生のレッスンを見学する機会は少ないので有意義な時間でした。

公開レッスン後に生徒さんとお話をしますと、「発表会の時みたいに緊張した」とお話していました。

こちらも公開レッスンの内容をメモしていたので、それを見せながら内容をかみ砕いてお話し、一緒に復習をしました。

先日、ピアノの発表会が終わったばかりですが、コンサートの本番までは約1ケ月です。気持ちを切り替えて、もう一度頑張ってほしいものです。

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(この記事は、第104号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「ピアノ教室の出来事」は、お子様のピアノ発表会本番の様子です。

先日、お子様のピアノ発表会が開催されました。お教室によって違うと思いますが、発表会は毎年リハーサルを行わず、本番1回のみの1発勝負という厳しいスタイルを取っています。1日の中で、午前中に1回、午後2回と1日3回転の発表会を行っている関係で、なかなかリハーサルの時間が確保できないのです。

しかし、今回は参加人数が当初の予定よりだいぶ少なくなり、時間に余裕ができたので、リハーサルの時間を作ることが出来ました。

出演される生徒さんのみホールに入り、プログラム順にリハーサルを行ったのですが、私がこれまでに見てきたリハーサルの風景とは明らかに違っていて、少しビックリしました。生徒さん全員がじっと椅子に座っていて、誰も一言も喋っていないのです。

「はい、次の人リハーサルしてね」という私の声だけがホールに響く状況で、想像以上の緊張感に包まれていました。その雰囲気に飲まれてしまったのか、暗譜を忘れてしまい、思い出せずに慌てて楽譜を取り出す生徒さんまでいました。

そして、本番が始まりました。

緊張して小さなミスをしてしまった生徒さんはいましたが、リハーサルがよかったのか、頭が真っ白になったり、暗譜がすっかり抜けてしまう方は誰もいませんでしたので、全体的にはスムーズに進行が出来ました。

出番前の舞台袖では、リハーサルの時に比べてガチガチに固まっている感じではなく、適度な緊張感だったように思います。舞台袖には、出番前の生徒さん数人の他に、私とアナウンスをして下さった先生がいましたが、私たちまでシーンと黙ってしまうと変に緊張感が高まってしまうので、あえて通常通りに振る舞っていたのも、少しは効果があったのかもしれません。

「あ~、緊張する~。どうしよう、どうしよう」と話していた生徒さんもいましたが、いざ舞台で演奏が始まりますと、普段のレッスンの演奏とさほど変わらず、力を発揮出来ていました。

生徒さん方の演奏を客席で聴くことが出来ないのが残念ですが、舞台袖で聴いていますと、普段のレッスンではわからなかった事が見えてきたりもします。

思った以上に音が響いていてパワフルさがあったり、フレーズごとの間の取り方が絶妙だったり、本番という緊張する場で弾いているからこそ発揮される生徒さんの持ち味なのかもしれません。このような発見があるのは、聴いていてとても嬉しいものです。

最後には、全員で集合写真を撮って、今年も無事に発表会が終わりました。

アクシデントもなく終わり、次のクラスの発表会まで時間的に余裕があったので、生徒さんやそのご家族が、次々と挨拶にいらして下さいました。

ほとんどの生徒さんやご家族が明るい笑顔で、緊張感から解放された安堵感と、結構満足感や充実感を感じておられたのが、指導者としては一番嬉しい瞬間でした。

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(この記事は、第103号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「ピアノ教室の出来事」は、発表会前のお子様のレッスンの様子です。

お子様のピアノ発表会まで、1か月を切りました。レッスン回数も残り数回なので、まさにラストスパートの時期です。

自宅での練習も熱心に行っている方が殆どなので、1週間の進み具合は目覚ましく、驚くこともしばしばです。

お子様特有かもしれませんが、暗譜の練習をするようにとお話しますと、1週間ですべて覚えてくる生徒さんが結構いらっしゃいます。逆の言い方をしますと、「途中まで暗譜してきました」という生徒さんは、これまで殆どいません。(小学生くらいの生徒さん限定ですが)

大人の方の場合、発表会での暗譜は必須ではありませんので、楽譜を見て弾かれる方も多いのですが、普段のレッスンである程度暗譜で弾けるくらいまで弾き込む必要はあります。そのため、特に70代くらいの生徒さん方は、「物覚えが悪くて・・・」「すぐ忘れちゃうのよね」「1つ覚えると、前の事忘れちゃうの」と、暗譜にはご苦労されているようです。

お子様の場合、普段の練習をしてるだけで自然に暗譜が出来ている方も多く、「お家で暗譜の練習をしてみてね」とお話しますと、「もう覚えてるよ」と即座に答える生徒さんが何人もいました。

「あらっ、すごいわね。今、ちょっと暗譜で弾ける?」と言って弾いてもらいますと、確かに殆ど暗譜が出来ているのです。すぐに覚えてしまうとか、自然に覚えられるというのは、やはりお子様の頭が柔らかいということなのかもしれません。

羨ましいと感じる大人の方も多いと思いますが、しかし良いことばかりではないようです。と言いますのも、最初にしっかりと完全に暗譜出来ていればよいのですが、間違えやすいところや紛らわしいところで曖昧に覚えてしまっていることがあるのです。このような事は、ピアノの演奏レベルや年齢に関わらず、すべての方に当てはまる事だと思いますが。

間違いに気づいたときに、どのように対処したかによって、早く解消される場合もありますし、いつまでも曖昧なままになってしまう場合もあります。

先日、幼稚園生の生徒さんに、レッスンの始めに暗譜で弾いてもらいました。テンポも安定していて順調な弾き始めでしたので、なかなか良いなあと思って聴いていたのですが、リピート後に4小節飛ばして先に進んでしまったのです。

私は、「あっ!」と思ったのですが、生徒さん本人はそのままどんどん先に弾き進め、何事もなく弾き終わりました。何の動揺もなく最後まで弾けたのは凄いのですが、違う不安材料がある気がして、弾き忘れてしまった4小節の事をお話しますと、ニコニコしながら、でも案の定、首をかしげているのです。不安に思っていたことが的中してしまいました。

正しくないものを覚えてしまい、しかしそれが正しいとインプットされているのです。これはよくある事で、譜読みの段階では正しくても、弾き込んでいく段階でいつのまにか違う音やリズムにすり替ってしまう現象です。

弾いている本人は気が付かないのですから、ちょっと厄介です。
この生徒さんの場合も、暗譜で練習をしている時に、始めは正しかったのかもしれませんが、いつの間にか4小節飛ばしたものが本来の音楽だと覚えてしまっていたのです。

この場合、本来の正しい順序で演奏された音楽を覚えることが大切なので、弾く練習だけではなく、とにかく音楽を聴く時間も多く持つようにお話をしました。また、メロディーを歌いながら弾く練習も提案しました。

何かを直す場合、色々なアプローチの仕方や練習方法があります。単に練習回数を増やすだけでは、効率的ではありませんし、効果もあまり上がりません。そのため、なるべく色々な角度から診て、生徒さんに一番合うと思われるやり方をお話していますが、実際に試してみないと、本当に生徒さんに合うのかわからない場合も多いのです。

1週間試してみて、レッスンでその効果を確認し、そのまま続行するか違うアプローチを試すか、生徒さんと共に試行錯誤をしながら、音楽を仕上げています。

生徒さん方全員が、発表会の本番でこれまでの苦労が報われるように、また思った通りの演奏が出来て満足感が得られるように願っています。

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