(この記事は、2024年1月8日に配信しました第388号のメールマガジンに掲載されたものです)
新年を迎えましたが、能登半島での地震や羽田空港での事故などが相次いで起こり、大変な思いをされている方々も多くいらっしゃるのではないでしょうか。亡くなられた方々へのご冥福と、一日でも早い復興を祈りつつ、微力ながらもお役に立てる事をしていきたいと思っています。また、このような時こそ、音楽の力で希望が見いだせたり、つかの間の癒しが得られたら幸いです。
新年1回目は、2024年にメモリアルイヤーを迎える音楽家についてのお話です。何人もの音楽家がいる中で特に有名な人というと、スメタナやヨハン・シュトラウス1世、リムスキー=コルサコフ、ホルスト、フォーレなどが挙げられます。
スメタナは、チェコの作曲家で生誕200年を迎えます。スメタナの代表作というと、交響詩「わが祖国」より第2曲「モルダウ」が真っ先に挙げられるのではないでしょうか。なんとも言えない哀愁の漂う音楽は、大変印象強いものがありますね。
ヨハン・シュトラウス1世は、オーストリアのウィーンの音楽家で生誕220年を迎えます。通称「ワルツ王」とも呼ばれました。ウィーンナーワルツの基礎を築いた音楽家です。息子のヨハン・シュトラウス2世や、他の息子達や子孫も音楽家になっています。代表作は、「ラデツキー行進曲」がまずは挙げられます。大変華やかな音楽で、毎年、世界中で放映されているウィーンフィルハーモニー交響楽団のニューイヤーコンサートで必ずアンコールに演奏され、指揮者の合図で、聴衆が手拍子をしながら音楽を楽しむのが、お決まりの光景です。
リムスキー=コルサコフは、ロシアの作曲家で生誕180年を迎えます。「ロシア5人組」の一人で、プロコフィエフなどの後のロシアの作曲家達やフランスの作曲家ラヴェルなどにも大きな影響を与えました。「熊蜂の飛行」が一番有名な曲と思います。目の前で、蜂がブーンと飛んでいるような光景を、とても速いテンポの音階の上下で表現していて、一度聴いたら忘れられないような音楽です。
ホルストは、イギリスの作曲家で生誕150年を迎えます。あまりピンとこない方も多いかもしれませんが、組曲「惑星」の作曲家、または平原綾香さんの「ジュピター」の原曲を作曲した人という紹介の方がわかりやすいかもしれません。地球を除く7つの太陽系惑星に、それぞれ1曲ずつ作られた組曲で、この組曲1つで大変有名な作曲家になりました。宇宙をテーマにした音楽ですから、ロマンを感じます。
フォーレは、没後100年を迎えるフランスの音楽家です。作曲家だけではなく、ピアニストやオルガニストとしても活躍をし、ラヴェルなどを育てました。儚さと優美さを兼ね備えた「シシリエンヌ」は、大変美しい音楽で聴いたことがある方も多いのではと思います。
そして、日本の音楽家である團伊玖磨(だん いくま)も忘れてはならない音楽家で、生誕100年を迎えます。上皇ご夫妻のご成婚の際に「祝典行進曲」、天皇皇后両陛下のご成婚に「新・祝典行進曲」を作曲したり、日本を題材にしたオペラ「夕鶴」、ラジオ体操第2の音楽なども作曲しました。誰もが幼少期に歌った「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」「おつかいありさん」は彼の代表作でもあり、最も有名な曲だと思います。
今年も、いろいろな楽しい音楽のお話をお届けしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
(この記事は、2023年1月9日に配信しました第363号のメールマガジンに掲載されたものです)
明けましておめでとうございます。本年も、コン・ヴィヴァーチェのサイトをよろしくお願い致します。
今回の年末年始は、コロナによる行動制限がなかったので、数年ぶりに帰省された方もいらっしゃると思います。ピアノ教室の小学生の生徒さん方は、お祖父さん・お祖母さんの家へなかなか遊びに行けず、残念そうにしていましたので、久しぶりの再会を果たしていたらいいなあと思っています。
さて、今年2023年がメモリアルイヤーとなるクラシックの作曲家ですが、生誕150年のラフマニノフ、生誕180年のグリーグ、生誕190年のブラームス、生誕210年のワーグナーやヴェルディ、生誕370年のパッヘルベルと早々たる顔ぶれが並びます。
パッへルベルと言えば、「パッヘルベルのカノン」と覚えている方も多いと思います。この曲を弾きたいとおっしゃる生徒さんは多く、実際みなさん楽しそうに弾いていました。また、電話の保留音などでもよく使われているので、小学生の生徒さん方もよくご存じのようです。
ワーグナーは、19世紀のロマン派オペラの作曲家として知られています。オペラ「トリスタンとイゾルデ」「ニーベルングの指輪」「さまよえるオランダ人」「タンホイザー」などが代表作として有名です。
ヴェルディは、イタリアの作曲家で「オペラ王」とも呼ばれていて、「リゴレット」「椿姫」「アイーダ」などワーグナーと同じくオペラ作品が有名です。また、ユーロになる前のイタリアの通貨リラ紙幣には肖像画が描かれていました。
ブラームスは、交響曲や協奏曲「ドイツ・レクイエム」などの他に、ピアノ作品では何といっても「ハンガリー舞曲集」が真っ先に挙げられます。弾いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
没後のメモリアルイヤーでは、没後290年のクープラン、没後130年のチャイコフスキー、没後70年のプロコフィエフ、没後60年のヒンデミットなどが挙げられます。お子様が発表会などで演奏することが多いギロックも、没後30年になります。
このように、様々なメモリアルイヤーの作曲家がいますが、今年一番のビッグネームは、生誕150年を迎えるラフマニノフでしょう。ロシア出身の作曲家で、現在の世界情勢を考えますと、大きく取り上げられることは少ないのかもしれませんが、作品の素晴らしさは誰もが知るところです。聴く機会を持ってみるのも良いかもしれません。
明けまして、おめでとうございます。今年も、よろしくお願いします。
今年2022年にメモリアルイヤーを迎えるクラシックの作曲家は、生誕200年を迎えるセザール・フランクと生誕150年を迎えるアレクサンドル・スクリャービンが挙げられます。
セザール・フランクは、1822年にベルギーで生まれました。お父さんからリストのようなピアニストになるべく英才教育を受け、パリ音楽院でピアノのほか作曲やオルガンも学びました。教会のオルガニストやピアノ教師、パリ音楽院の教授なども務め、作曲活動も行っていました。ヴァイオリンソナタなどが大変有名です。
アレクサンドル・スクリャービンは、1872年にロシアで生まれました。モスクワ音楽院でピアノや作曲を学びます。同級生にはラフマニノフがいて、ピアノ科の卒業試験ではラフマニノフに次いで第2位だったそうです。
超絶技巧の曲を無理に弾き続けたせいで右手首を故障し、それがきっかけで作曲にも力を入れるようになったそうです。モスクワ音楽院の教授なども務めました。ピアノの巨匠ホロヴィッツの才能を見抜き、彼がピアノを始めたばかりの頃に、早く本格的なピアノ教育を受けさせるように母親に助言したそうです。スクリャービンの助言がなかったら、ピアニストとしてのホロヴィッツは誕生しなかったかもしれませんね。
フランクもスクリャービンも、なかなか弾く機会が無いかもしれませんが、記念の年なので、これを機にまずは彼らの音楽を聴いてみるところからスタートしてみてはいかがでしょうか。新たな音楽との出会いが、音楽の奥深さを感じさせてくれるかもしれません。
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