今回は、少し内容を変えて、生徒さんではなく、この時期の教室の状況についてお話します。
3月・4月のこの時期、ピアノのお教室はバタバタと忙しくなります。1年の中で、新しい生徒さんの多くが入会されるのが、この時期だからです。
特にお子様は、幼稚園や保育園を卒業して新しく小学校に入学する時期なので、それと同時にピアノのレッスンなどの音楽を始めようと思われる方が多いようです。
たいていどこのお教室でも、入会する前に体験レッスンというものがありますので、まずは一回ピアノのレッスンを受けていただく流れになっています。
そして具体的な曜日や時間、コースなどをも決めて、入会することになります。
このように新しい生徒さんが入会されると同時に、受験や就職でお辞めになる方もいらっしゃいます。
そして、今レッスンを受けている生徒さんも、学年が上がったり、ひとつ上の学校に進学するので、学校の時間割が変わり、生活のペースが変わることになります。
これにより、レッスンの曜日や時間の変更を希望される方が出てきます。
ピアノは個人レッスンなので、この時間は○○さん、次の時間は△△さん、というようにタイムスケジュールを組んでいますので、
「○○さんは、現在よりも1時間遅い時間を希望されているけれど、そこは△△さんのレッスンだから難しい。
でも、☆曜日だと□□さんが休会されて、ちょうど同じ時間が空くので、そこをご案内して…」
と、まるで1つのパズルを解いているような感じで、レッスンのタイムスケジュールを組んでいきます。
この作業をしながら、もうひとつ大切な作業があるのです。
それは、夏に行われるお子さま対象のピアノ発表会の準備です。
このピアノの発表会では、たいてい数十人の生徒さんが出演されますので、全員の曲を決めていきます。
曲を決める際には、あらかじめ何曲か候補を決めておき、生徒さんと相談して、最終的に曲目を決定します。
この候補の曲を決めるまでに、かなりエネルギーを使うことになるのです。
昨年の発表会で弾いた曲を思い出しながら、今年は違う作曲家の曲を紹介したり、個々の生徒さんに合うような曲を探したり。
あまり長すぎても、短すぎてもいけませんし、手の小さい生徒さんにオクターブがたくさん出てくる曲をお薦めするわけにもいきません。
色々と配慮も必要になるのです。
中学生・高校生くらいですと、弾きたい曲がある事も多々ありますので、わりとスムーズに決まることもあるのですが。
段々と春が近づいて行楽日和になってきますが、ピアノのお教室はそんなことを感じる余裕もない程、活気づいているのです。
今回は、昨年、ピアノのレッスンを始められた生徒さんのお話です。
3,40代の主婦の方で、中学生くらいまではピアノを習っていたそうです。相当ブランクがあるのですが、よく指も動きますし楽譜も読める方です。
お仕事もお持ちですし、お子さんもいらっしゃるので育児もありますので、かなり多忙だと思うのですが、毎週ピアノのレッスンに通われています。
また、週末にはお子さんのピアノレッスンにも付き添われているそうです。
気分転換にピアノのレッスンに通われているようで、今は、大人の方用のテクニックの教材と曲集を使っています。
この生徒さんが初めてピアノのお教室に入らしたときに、「これから、どのような曲を弾けるようになりたいですか?」と聞いたところ、即座にある曲名をお答えになりました。
その曲が、「エリーゼの為に」や「子犬のワルツ」のような、一般的に名の知れた有名な作品ではなく、ある程度ピアノを弾いていないと知らないような曲名だったので、とても驚きました。
私自身、これまでに多くの方をレッスンしてきましたが、その曲を弾きたいとおっしゃった方はいませんでした。
「よく、その曲をご存じですね」とお話をしたところ、次のようにお答えされました。
以前、お子様のピアノの発表会を聴きに行ったところ、上級生がその曲を弾いていて、とても綺麗な曲だったので強く印象に残ったそうです。そして、いつか弾いてみたいと思われたのだそうです。
毎年、発表会に参加される方々に、「他の方の演奏も聴いて下さいね。色々な曲を知るいい機会になると思いますし、よい刺激も受けられると思いますよ」とお話をするのですが、それは正にこのようなことなのです。
この生徒さんは、早速、憧れの楽譜を購入されたそうで、少しずつ練習を始めようかとお話をしているところです。
今回は、子供の生徒さんのお話です。
ピアノを習いに来ている生徒さんは、年に2回ほど学校で活躍をする場があります。
小学生ですと、周辺の学校と合同で行われる「連合音楽会」、中学生ですと、学校内の「合唱コンクール」、それから小学校・中学校に共通する「卒業式」です。
小学生の「連合音楽会」は、学校によって違うようなのですが、学校内で決められた学年なりクラスなりが、学校の代表として音楽を披露するイベントです。演奏は合奏だったり、合唱だったりします。
ピアノに来ている生徒さんは、その中でピアノ伴奏や主要な楽器を担当することが多いようです。中には、お友達にリズムや音などを教えている子もいます。
中学生の「合唱コンクール」も、学校によって違うようですが、学校全体の中で順位をつけたり、学年の中で順位をつけたりします。審査員も、各クラスの代表者や学校の先生方がなさる所や、外部から音楽の専門家を呼ぶこともあるそうです。
「合唱コンクール」の場合は、ピアノ伴奏者をやったり、指揮者として活躍をしている生徒さんもいます。
卒業式は、合唱だけだったり、合奏も行う学校もあるようです。
小学生の「連合音楽会」や中学生の「合唱コンクール」の場合、どちらも学校内のイベントなので、ご家族が見学出来ないことがあります。せっかくお子さんが活躍をしていても、その姿を見ることが出来ないのです。
しかし、卒業式は小学校も中学校も、正式なイベントなので、ご家族の皆さんもいらしています。ご自分のお子さんが、そのような場面で活躍しているところを直接見れますので、感慨深いものがあるのではないでしょうか。
このようなイベントでのピアノ伴奏者は、学校内のオーディションで選考します。学校の音楽の先生が中心となって、決められるそうです。
昔と違って、ピアノを習っている人が各クラスの中に何人もいますので、単に「ピアノが弾ける人」だけでは人数が多くて決められないのです。ですから、そういう場面でピアノ伴奏者になったということは、オーディションに合格した人、つまり選ばれた人と言うわけです。
もう2月ですので、卒業式の練習が始まっています。
せっかくピアノを習っているのですから、機会があるごとに挑戦して、ピアノが弾けるという特技を大いに生かしてほしいと思っています。
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