ピアノ・ワンポイント・レッスンは、無料で発行していますコン・ヴィヴァーチェのメールマガジンで以前連載していましたコーナーを再編集したものです。
ちょっとしたコツで、ピアノの練習の効率や楽しさが大きく変わるかもしれません。
以下が記事のリストです。
ピアノを弾く前のウォーミングアップ
いつでも上手に弾けるようにする
ピアノ無しでピアノの練習
ピアノの楽譜の活用方法
「無くて七癖」
黒鍵を無理なく弾けますか?
ピアノを弾く時どこで体を支えますか?
ページの変わり目で音楽を止めない
どこを見てピアノを弾きますか?
ピアノの楽譜を読むコツ
ピアノを弾く時の椅子の位置
ここ最近、朝晩の気温がだいぶ下がり冷え込んできました。
これからますます、体も冷えて寒く感じますが、このような気温の低い時期に、いきなりピアノの練習をすることは、実は危険なことなのです。
プロのスポーツ選手でも、練習を始める前に必ずウォーミングアップをして、体を暖めてから競技の練習をしますよね。「私はプロではないし、趣味ですから・・・」と安易に考えてしまいますと、後々手の故障などにつながり兼ねません。
「あの時、気をつけておけばよかった」とならないように、これからしっかりと対策を取っていきましょう。
まずは、練習する1時間くらい前に、ピアノの鍵盤のフタを開けておきましょう。
鍵盤は、意外に冷えていますので、フタを開けていきなりピアノを弾き始めますと、指先の体温がどんどん奪われていきます。指が冷えてしまい練習自体もはかどらなくなりますので、必ず、鍵盤の冷えを解消しておきましょう。
また、ピアノのお部屋が冷えている場合は、暖めておきます。この時に気をつけておきたいことは、床暖房を使わない・空気を乾燥させない、温風を直接ピアノに当てないようにすることです。これらは、すべてピアノ自体にダメージを与えてしまいますので、お気をつけ下さい。
また、ご自分の手も、あらかじめ暖めておきましょう。手全体、特に指先はかなり冷えているものです。そのままいきなりピアノを弾き始めても、なかなか指が思うように動きません。洗面所や台所などでお湯を張り、手全体を入れて暖めます。ひじまで入れられるとさらに良いと思います。足湯というものがありますが、それと同じような感覚でしょうか。
暖房器具の吹き出し口やコタツに手を入れて暖めたり、カイロで暖めることも出来ますが、温水で暖めるのが、一番効果的です。
また、外出時などでは手袋を使って、手が冷えないように予防する事も大切です。ピアノを弾く人にとって、手は体の中で一番大切な部分です。普段のケアにも気を配ることが、ピアノの練習の成果にも繋がっていくと思います。
ピアノの練習を進めていきますと、だんだんと弾けるようになってきますよね。
始めは、ぽつ、ぽつ、としか弾けなかったものが、徐々につながってきて、「スムーズに弾けるようになってきた」「前より上手くなった」「CDで聴いた曲と、確かに同じになってきた」という感覚が味わえるようになってきます。ピアノの練習の中で、楽しいと感じる瞬間です。
その段階を越えますと、今度はいつでも、その曲を弾けるようになることが大切になってきます。ご自分でもそんなに心配することなく、「いつでも、同じように弾けるようにする」ということです。
ピアノの演奏に限らず、日常生活でも調子の良い時とそうでない時がありますが、いつでも調子の良い状態でいたいものですよね。そのために、普段から健康に気を遣うとか、ストレスを溜めない、ストレスが溜まったら趣味などで発散させる、食べ過ぎたら運動をする、次の食事を加減するなど、いろいろとご自身なりのコンディション作りをなさっている方も多いのではないでしょうか。
ピアノも、常にいつも通りの力が発揮できるように、その状態を保つための練習をなさると、より安心して弾けるようになります。
その練習方法ですが、「いつもと違う状況でピアノを弾く」ことです。
例えば、夜、練習をしている場合は、朝、練習をしてみる、というように練習時間を変えてみたり、いつもご自宅だけでピアノを弾いている方は、音楽スタジオや友人宅など、ご自宅以外の場所でピアノを弾いてみることも当てはまります。
また、いつもお一人でなにげなくピアノを弾いている方は、ご家族や友人の前でピアノを弾いてみることもよいかと思います。そうしますと、いつもと違って、緊張してピアノを弾くことになるかと思いますので、緊張すると自分の演奏がどうなるのかが見えてくるのです。
ぱーっと頭が真っ白になってしまうのであれば、これから練習をするときに、コントロールして弾くという課題が見えてきますし、間違えてしまったり、心配なところがあるならば、その個所を重点的に練習をすると、効果的ということになります。
また、いつも通りに弾けたのであれば、かなり身についているということになりますので、今後も自信をもって弾いていくとよいでしょう。
練習をちょっと工夫するだけで、ピアノの演奏力がさらにアップするかと思います。
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