ピアノを始められて、しばらくすると、シャープやフラットの黒鍵を使う曲が出てきます。
皆さんは黒鍵を、無理なく弾く事が出来ていますか?
黒鍵を弾く時には、まずは指番号を守る事が大切です。指番号の書いていない曲を弾く場合には、2番(人差し指)、3番(中指)、4番(薬指)で弾くように、指番号を工夫しましょう。
その際、1番(親指)の指を避けるようにしましょう。この指は他の指に比べて短く、手首に近いところにあるので、鍵盤の奥の方にある黒鍵が弾きにくくなるからです。
また、指番号が適切でも、手全体を(頻繁に使用する)白鍵を弾く位置のままでずっと弾き、急にシャープやフラットの黒鍵を弾こうとしますと、手首が上がりすぎたり、指が伸びきってしまったり、また黒鍵を弾く直前の指が、手前に巻き込んだような状態になったりします。これは、いずれも手に負担がかかる、無理な状態といえます。
これを避けるためには、黒鍵を弾く1小節前あたりから、徐々に手全体を鍵盤の奥の方へ入れていき、黒鍵を無理なく弾くための準備をしておくとよいでしょう。
このようにピアノは、手を左右に動かすだけではなく、前後に動かすことも大切になってくるのです。
ピアノを弾いているとき、どこで体を支えていますか。
通常は、体の中央を伝って、尾てい骨や腰、両足など、下半身全体で均等に体を支えていると思います。
始めのうちは、この状態で問題はないのですが、段々と曲の難易度が上がりますと、使う音域が広がっていき、それにより、少々弾きにくさを感じることがあります。両手ともト音記号で書かれていたり、また、両手ともヘ音記号で書かれている曲や、そのような部分がある曲についても、同じように感じることがあります。
その場合、座る位置はそのままに、体重のかけ方を工夫するだけで、随分と楽に弾きやすくなるものです。
例えば、右手で高音域を弾き続けたり、左手が中音域(真ん中のド近辺)を弾き続ける場合は、肩を水平に保ったまま、ウエストを少し右に動かします。右足の大腿部にぐっと体重がかかり、その分、左足の太ももが少し浮くようになるかと思います。ウエストも右側が少し伸びて、その分、左側は縮みます。
左手で低音域を弾き続けたり、右手が中音域(真ん中のド近辺)を弾き続ける場合は、この逆を行います。
どちらの場合も、肩を傾けずに水平を保つことと、少しだけ体重移動することがポイントです。
慣れないうちは、両肩の位置が傾いてしまうことが多いので注意しながら、試してみてください。
ピアノの練習が進んでいきますと、徐々に長い曲を弾くようになってきます。
そのような曲を弾くときに気をつけたいことがあります。それは、「ページが変わる所で、音楽を止めない」と言う事です。
ページが変わることは、このページに書ききれなかったので、次のページに書いただけのことなのですから、演奏に支障がないようにしたいものです。
ページが変わるごとに演奏を中断し、ページをめくって、また弾き始める、ということを続けていますと、それが当たり前になってしまい、違和感すら感じないということも起こってしまいます。演奏のクセに結びついてしまうこともあります。また、弾いている本人は、何も感じなくても、聴いている人には、ものすごく違和感を感じるものです。
このページが変わる際に音楽を中断させない解消方法には、以下のものあります。
1. 楽譜をコピーして張りつけ、ページをめくらなくて済むようにする
2. 演奏を中断しないような工夫して、上手にページをめくる
一番簡単に取り入れられるものは、1番の方法です。コピーした楽譜は、そのまま譜面台に載せますと、きちんと立たないので厚紙や台紙などに張ると見やすくなります。
2番の方法は、譜面台に載せられない程の長い曲の場合や、ページをめくる直前の小節に、長い休符のある場合などに使えます。右側のページの右下(ページをめくる直前の小節あたり)に、あらかじめ軽く折り目をつけておくと、めくりやすくなります。
また、何回もページをめくる場合は、前のページの折り目とわずかにずらして、折り目をつけておくことがポイントです。
折り目は山折(折り目が高くなる)、谷折り(折り目が低くなる)の、どちらでも大丈夫ですが、とにかく急いでめくらないといけない場合は、山折にして、その一帯を掴んでめくるとよいでしょう。
そして、ページをめくるときは、殆どの場合、左手で行うと自然に動けます。
たかが譜めくり、されど譜めくりです。音楽の流れを大切にしていきたいものです。
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