(この記事は、第108号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、ヤマハピアノフェスティバルというコンサートについてです。

先日、銀座にあるヤマハホールでヤマハピアノフェスティバルというコンサートが行われました。東京にあるヤマハ系の音楽教室で、それぞれのお教室から選ばれた生徒さん100人が、ピアノ演奏をするコンサートです。

地下鉄の銀座駅とJR新橋駅の間くらいにある銀座ヤマハは、音楽を趣味で楽しんでいる方から専門に勉強しているプロの演奏家まで、幅広い方々が利用されています。ピアノだけでなく、様々な楽器や声楽などの楽譜も扱っていますので、音楽に関する事ならあらゆるニーズに応えてくれそうな場所でもあります。

近年、ビルを建て替えてヤマハホールも新しくなりましたが、今回のコンサートも、この新しいホールで行われました。2階席もあり、とても天井の高いホールです。しかも今回は、ショパンコンクールの優勝者や、チャイコフスキーコンクールで入賞したコンテスタントにも選ばれた、最新型のフルコンサートピアノを使用してのコンサートです。

ホールもピアノも素晴らしいものを使用しており、なかなかこのような環境で演奏する機会はないので、演奏する生徒さん方がうらやましく感じてしまいました。

コンサートは、小学生の生徒さん方が出演されていて、生徒さん自身やご家族、レッスンを担当されている先生からのコメントも読まれながら進められました。

色々なお教室の、同年齢の方の演奏を一度にたくさん聴ける機会はなかなか無いので、とても興味深く聴かせていただきました。

間違えてしまった生徒さんも、ちらほらいましたが、緊張のあまりたまたま間違えてしまったようで、この日のためにしっかりと練習を積んできたことが感じられました。

さすがに各お教室から選ばれただけあり、堂々としたステージマナーも好印象でした。

コンクールではないので、特別難しい曲を演奏しているわけではなく、普段レッスンで演奏しているような曲目がプログラムに並んでいました。ブルグミュラーの25の練習曲やギロックの作品、ソナチネアルバムなどです。

よく知られている曲ばかりで、まったく同じ曲が複数回演奏されることもありましたが、同じ曲でも弾き手によって解釈やニュアンスが異なりますし、テンポだけ見ても微妙に異なりますので、決して同じ演奏にはならないのです。それが音楽の面白い所とも言えますね。

普段のレッスンで使われている曲が演奏されていましたので、聴衆としても楽しめましたが、指導している立場から見ましても、今後のレッスンのよい参考になりました。

コンサートホールのロビーでは、演奏を終えた生徒さんが、ご家族や先生、聴きに来られたお友達と話をしたり、記念撮影をしていました。緊張から解放されてホッとしたような笑顔の方が殆どで、写真にも笑顔で臨まれていたのが印象的でした。

小学生の年齢では、通常の発表会だけでも、とても大きな舞台で緊張すると思いますが、今回のように、日本有数の有名ホールで、しかもフルコンサートピアノという最大級のピアノで弾く事は、物凄く緊張したと思います。

しかし、この体験は、きっと今後のピアノ演奏や、音楽以外の場でも役に立つのではないかと思います。心から、「お疲れ様でした」と声をかけたくなりました。

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インターネットで見つけたクラシック音楽関連の動画をご紹介する「今月の動画」。
今回は、ドビュッシー作曲の「夢」です。

2007年に肝細胞癌のため死去された、ピアニストであり作曲家の羽田健太郎さんが演奏しています。

羽田健太郎さんは、日本にある全てのプロのオーケストラとの共演を果たすなど、クラシックのピアニストとして活躍する一方で、驚異的な視聴率で有名なドラマ「渡る世間は鬼ばかり」や「西部警察PARTⅡ」などの音楽を担当されました。また、「ニュースステーション」の「ピアノ生中継」のコーナーでは、世界の大自然の中での生演奏を披露したりと、まさにあらゆるジャンルの音楽に精通していた音楽家でした。

そのような音楽家が、ドビュッシーの「夢」をとても美しく演奏しています。

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