(この記事は、第159号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回は、大人の生徒さんの発表会の練習風景です。
毎年、夏はお子様の発表会があり、秋には大人の方の発表会があります。
これまでは、11月の始めに行っていたのですが、今回は下旬に開催されることになり、本番まであと2週間となりました。
レッスンでは、本番に向けて、より実践的な練習を取り入れるようにしています。
大人の生徒さんによく見られる傾向として、間違えたり、間違えそうになった時に、止まってしまう方が多いのです。
新しい曲の練習を始めたばかりの頃は、音や指番号、リズムなどを正確に把握する事が一番大切です。そのため、間違えたり迷ったりしたら、演奏を中断して、楽譜を見て確認する必要があります。
しかし、この状態をずっと続けていますと、無意識でその動作を行ってしまうことがあります。ちょっとしたことでも止まってしまうことがクセになってしまうのです。
お子様と違って、大人の生徒さんは、少し違っただけでも気になる方が多く、「間違えても気にしないで、どんどん先を弾きましょう」とお話しても、頭では理解できても実際に行うことは難しいものです。
先日のレッスンでは、「まずは、最初に一曲通して弾きましょう。何があっても本番のように、頑張って最後まで弾いて下さい」とお話をしますと、「なんだか間違えそう」とおっしゃりつつ弾き始めました。
その結果はいかに。
始めの数小節で、早くもピタッと止まってしまいました。
その後、もう一度始めから弾き始め、今度は最後まで弾く事が出来ました。
この生徒さんは、これまで何回も発表会に出ているのですが、それでも、今回弾く曲は少し独特のリズムなので、最初からリズムに乗って弾く事が、少し難しかったようです。
しかし、1回弾くと調子が掴めた様で、その後はすらすらと問題なく弾いていました。
ピアノの発表会では、リハーサルがなかったり、リハーサルがあったとしても短時間だったり、本番まで時間が空いてしまう事がよくあります。
そのため、何回か弾いて、いつもの調子を掴んでから本番を迎えるという事ができません。
1回目で、すべての力を出し切る演奏をしなければならないのです。
そのためには、指の練習などをしないで、いきなり一曲通して弾くような、本番さながらの経験を数多く積んでおく事が、とても大切になってきます。
個人差が大きいので、かなり早い段階で出来る方もいれば、なかなか時間がかかる方もおられます。しかし、諦めずに練習を続けることで、どなたでも徐々にコツを掴む事が出来るようになります。
本番まであと2週間、でも、「まだ2週間」とも言えます。
貴重な時間を大切に、より効果的な練習を行って、本番に備えていただければと思っています。
(この記事は、第158号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回は、新しくピアノ教室に通われることになった生徒さんのお話です。
ピアノ教室は、学校の入学と同様、春に新しい生徒さんが入られる事が多いのですが、他の時期に入られる生徒さんもいらっしゃいます。
先日、新しくお子様の生徒さんが入られましたが、お引越しをされてきた方でした。
お子様の場合、最初の体験レッスンや、その後のレッスンもしばらくは、緊張のためなかなか会話が弾まないものです。
しかし、今回の生徒さんは、違っていました。
姉妹揃って体験レッスンを行ったことが功を奏したのか、それとも、お子様の性格的なものなのかは分かりませんが、緊張している雰囲気はほとんど無く、会話も盛り上がりました。
ピアノを見たことはあっても、近くで見ると違うようで、想像以上に大きいグランドピアノに驚いたようでした。
歓声を上げながら熱心に見ていたり、ピアノの音が鳴るしくみやペダルについて、次々と質問をされていました。
妹さんの方は、ほとんどピアノを弾いた事がないので、音や使う指を指示しながら連弾で1曲弾いてみました。
音数が多くなったり、少なくなったりする事もありましたが、絶えず笑顔で弾いていました。
お姉さんの方は、以前少しピアノを習っていたそうで、ブランクがあるにも関わらず暗譜でスラスラと1曲弾いていました。
後日、聞いてみたところ、体験レッスンで弾くために、ずいぶん練習をしたそうですが。
これまで、多くの体験レッスンをしていますが、今回ほど、たくさんの質問を受けた事は記憶にありません。
こんなに体験レッスンが盛り上がることも珍しく、私自身もとても楽しいひとときでした。
翌週からレッスンも始まり、姉妹別々に個人レッスンを行っていますが、もうすでにレッスンに慣れて、学校での出来事なども色々と話してくれています。
「ピアノのレッスン、大好き!!」「あ~あ、もうレッスンが終わっちゃうのか~」と、ピアノのレッスンを楽しみにしてくれているのが、なにより嬉しく感じています。
これから、どのように成長していくのか、楽しみがまたひとつ、いや、ふたつ、増えた気がしました。
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