今回は、前回お話をした子供の発表会の続編です。
子供の発表会では、いくつかの場面で会場の雰囲気がガラリと変化していきます。
発表会の序盤は、幼稚園・保育園生や小学校1年生などの本当に小さい生徒さんが演奏をします。
ピアノを習い始めてまだ1年も経っていないような生徒さんも多く、初めてピアノの発表会に参加する生徒さんが大半です。特に幼稚園・保育園生は、舞台に上がってもキョトンとしていたり、恥ずかしがってお辞儀もぎこちなくなったりします。
会場も「あらっ、まぁ、こんなに小さい子が・・・」という新鮮さと驚きで、少しざわざわとした空気感に包まれます。
しかし、いざ演奏が始まると、きちんと普段のレッスンと同じように弾けるのです。
そして弾き終わって、またお辞儀をする頃には、その愛らしい姿で、ふっと場が和み、穏やかな雰囲気になっていきます。
次に、小学校の中・高学年へと移っていきますが、このくらいになりますと、すでに発表会は何回も経験済みなので、しぐさや動作が板についてきます。
会場の雰囲気も、段々と空気の張りつめた緊張感のある雰囲気になっていきます。生徒さんがどんな曲を弾くのか、どんな演奏をするのか、演奏そのものに興味が向いてくるからかもしれません。
さらに学年が上がって中・高校生になりますと、曲そのものも有名な曲や難しい曲など、聴きごたえのある曲目が並び始めます。
演奏する生徒さんも、ちゃんと暗譜が出来ているのかどうかといったレベルではなく「どう弾くのか?」という演奏の中身や完成度に焦点を当てていますので、聴く側も真剣勝負さながらといった雰囲気です。
そして、演奏後のお辞儀の時には、まるでコンサートを聞きに行った時のような、演奏者を称える雰囲気になっていきます。
発表会全体を通して言えることは、発表会はコンサートではなく、日頃の練習の成果を披露する場なので、間違えてしまったり、緊張して生徒さん本人が満足できない演奏になってしまっても、それまでの努力を称え、励ますという温かい拍手をして下さるところです。
それがあるから、生徒さんはどんな結果になっても、毎年頑張って参加するのだと思います。そして、この体験が生徒さんの成長に大きな役割をもたらすのです。
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