(この記事は、第214号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回は、年明けのピアノ教室の様子です。
年末は、かなりギリギリまでレッスンを行い、年明けは比較的遅めの日程でレッスンを始めました。
ご家族で旅行に行かれた方、お孫さん一家が遊びに来られた方など、毎年よく聞かれる話題が挙がる中、年末にお孫さんが生まれたというお話も聞きました。
12月中旬のレッスンの時に、「今日、明日生まれてもおかしくない」というお話でしたが、無事に生まれてよかったです。
生まれたお孫さんには、上にご兄弟が2人いらっしゃるようで、そちらのお世話などで少しレッスンをお休みされますが、一段落してまたレッスンを再開された時には、きっと笑顔で色々とお話を聞かせていただけるのではと思っています。
今年のお正月は比較的暖かい感じでしたが、その後は寒い日々が続いたこともあるのでしょうか、体調を崩された生徒さんも相次ぎました。インフルエンザにかかってしまった方が何人もいて、マイコプラズマ球菌にかかってしまった大学生もいました。その大学生のお話では、初詣に行ったところ、その後に体調を崩してしまったそうです。
思いもよらない場所での感染の可能性に驚きましたが、考えてみますと、初詣は多くの人が訪れる場所で混雑しますから、起こりえない話ではなさそうです。その後、治ったのですが、また体調を崩してレッスンをお休みされています。大変心配ですが、早く元気になってほしいものです。
年明けのレッスンを始めて数日後、レッスンの空き時間に、受付さんが私の所に来ました。
「先生、○○さんという方が、いらっしゃっているのですが。以前、先生に習っていたとおっしゃっていまして。ちょっと受付に来ていただけますか?」
名前は、もちろん聞き覚えがあるのですが、同じ名字の方が過去に何人もいらっしゃることから、どなたかしら? と思いつつ受付に行ってみました。
すると、なんと7、8年くらい前にレッスンにいらしていた、70代の元生徒さんでした。
「あら~、まあ~、大変ご無沙汰しております。お元気でしたか?」
「5年くらい前に病気をしましてね。でも、もうすっかり良くなりました。先生ね、以前、夏にお手紙を下さったでしょ? あの時は、まだその気がなかったんだけど、最近またピアノをやってみようかなあと思いましてね。それならば、以前習っていた先生にと思いましてね。」
病気の影響で以前より少し痩せてしまっていましたが、本当に久しぶりの思わぬ再開で嬉しい驚きでした。
「自分で、少しピアノは弾いていたんだけど、悪い癖がついているんじゃないかと思って、先生に見ていただきたいの。でも、もう年齢のこともあるから、まずは3回レッスンのコースを受けて、それからその後の事を考えたくて。」
「まあ、嬉しいです。ありがとうございます。レッスンは、いつ頃から始めましょうか?」
「もう、すぐにでも始めたいです!」
大変前向きなお答えで、これもまた驚きましたが、早速次の週からレッスンを始める事になりました。そして1週間後、1回目のレッスンをしました。
どのようにレッスンを進めるかご相談から始めましたが、現在、ご自宅で弾いている曲の楽譜をお持ちになっていました。
「お友達と、この曲を連弾しているんです。でもね、なんだか合わせても、ずれちゃっているようで。お友達は、はっきりとは言わないんだけど、CDとかちょっと聞いてみたら? って言うんです。」
楽譜を見せていただくと、なんと「魔法使いサリーちゃん」の曲でした。昔、大人気だったアニメのテーマソングを、お友達と連弾しているなんてステキですね。
早速、1回弾いていただき、全体のテンポの確認や難しいところの解説や部分練習などをして、私がもう一方のパートを弾いて、連弾に慣れる事もしました。
久しぶりのレッスンでも、集中力が途切れることはなく、あっという間に時間が経ってしまったようでした。
帰り際には、来月から本格的にレッスンを始めたら・・というお話まで飛び出していて、本格的にレッスンに復帰されるようです。
70、80代の生徒さんを何人も見させていただいていますが、全ての方が前向きで、チャレンジ精神旺盛で、マイペースに無理なく楽しんでピアノを弾いている感じがします。
自分がその年代になった時、みなさんのように出来るのか? と考えますと、今のところそこまでの自信はなく、改めて凄いなあと思います。
ピアノのレッスンは、ピアノを指導するわけですが、生徒さん方の生きざまも身近に見させていただいているので、こちらが学ぶべきことも大変多いものです。この仕事の醍醐味の一つを、改めて感じました。
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