(この記事は、第220号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回は、この春に新しく迎えた生徒さん方のお話です。
ピアノ教室では、一年中新しい生徒さんをお迎えしていますが、やはり春は「ピアノをやってみよう」と思う季節のようです。3月、4月で既に3人の新しい生徒さんを担当させていただくことになりました。すべて大人の生徒さんです。
1人目の生徒さんは、かつてとても人気のあった映画で使われていた曲が気に入り、曲のタイトルを調べて楽譜を買ってみたものの、思ったよりも難しく全然弾けないという事で、体験レッスンにいらっしゃいました。小さい頃から20歳くらいまでピアノのレッスンを続けていて、その後も、ご自分で好きな曲を少し弾いていたそうです。
体験レッスンでは、今弾いている曲や楽譜のお話をして、テンポ等を少し修正しました。
その後1週間ほどして、レッスンを始めたいというお話があり、通われることになりました。
弾いている曲は、装飾音が大変多い曲で、しかも普段あまり弾く機会が無いような装飾音が出てきます。また、楽譜に装飾記号で書かれているので、「このマークだと、このように弾く」というように覚えておかないと弾けない事になります。しかし、それではなかなか難しいので、装飾音を、通常の音符のように全て記入した楽譜を作り、生徒さんにお渡ししました。
レッスンでは、生徒さんの技術に合わせた装飾音の弾き方も提案し、一緒に練習しました。レッスンの最後の方では、質問も飛び出し、生徒さんも少し慣れて下さったようです。細かい装飾音の練習で、なかなかハードなレッスンだったと思いますが、理解して頂けたようで、少しすっきりした表情をされていました。
最初のページの譜読みが出来れば、その後は極端に装飾音が少なくなるので、だいぶ楽になりますからと生徒さんを励ましてレッスンを終えました。
2人目の生徒さんは、2,30代の生徒さんです。小学生の時に、4年間ほどピアノのレッスンに通っていたそうです。その頃は、ピアノを楽しむという感じではなく、バイエル下巻の途中で難しくなり辞めてしまったそうです。
しかし、大人になって、YouTube を見ていてピアノの演奏に魅力を感じ、またやってみたくなり、昨年電子ピアノを購入してご自分で弾いていたそうです。
体験レッスンでは、ご自身で「これなら弾けそうかな」と思ったバッハの楽譜を持参されていましたので、右手のメロディー部分を弾いてみました。
元の楽譜には、指番号が一切書かれていないので、ご自分で考えた指番号がびっしりと記入されていました。熱心に取り組んでいる様子は伺えましたが、その指番号では綺麗に弾くことが難しく、またテンポを速くした場合に弾けなくなってしまう可能性が高いため、大幅に指番号を修正していきました。そして、何か所かご一緒に練習をして、体験レッスンを終えました。
体験レッスンを申し込んだ時から、既にピアノを習うつもりだったようで、すぐに入会手続きをなさり、先日第1回目のレッスンを行いました。
その時には、先日修正した指番号で、しかも両手で全部弾けるようになっていてビックリしました。指番号を変えて、とても弾きやすくなったそうです。また、自分自身の演奏の気になる所も指摘されていて、客観的に演奏を捉えられているのにも驚きました。
今後は、安定感を高めて強弱などをつけて、音楽の表情を付けていく練習になります。
3人目の生徒さんは、現在私が担当させていただいている生徒さんの中では最高齢の84歳の方です。
お姉様が小学校入学と同時に、ピアノを習うためにご両親がピアノを購入され、この生徒さんが生まれた時には、既に家にピアノがあったそうです。学生時代はピアノを習っていましたが、集団疎開でピアノから遠ざかってしまったとのことです。
昨年秋に、ご夫婦で老人ホームに入居され、お食事や洗濯など家事の大部分を老人ホームのスタッフさんがやってくれるようになりましたが、時間がたくさんあり、しかも毎日が単調に感じていたので、「何かやってみたい」と思い体験レッスンにいらっしゃいました。
昔弾いていた曲を途中までお弾きになりましたが、だいぶスラスラと弾いていて、弾き慣れているのには驚きました。
老人ホームで、毎日お食事を一緒にされている友人の方達のために、お誕生日にハッピーバースデーの曲と、その方の思い出の曲を演奏したいとお話されていて、まずは、「ハッピーバースデー」の曲と、6月にお誕生日を迎える方のために、「荒城の月」を弾けるようになりたいそうです。
それから、今弾いている曲が、途中までしか弾けないので、最後まで弾けるようになりたい、そして、ショパンの「別れの曲」や、「慕情」も弾いてみたいとおっしゃっていました。
ご自分で弾いてみたい曲を積極的に考えている事に驚きますが、これらの曲だけでなく、SMAPの「世界に一つだけの花」も弾いてみたいとおっしゃっていました。その理由は、「あの(?!)中居君が弾いているのだから、私も弾けるんじゃないかと思った」とのことです。(笑)
ご高齢でも、ここまでバイタリティ溢れる方がいらっしゃる事に、本当にビックリしました。
来月から早速レッスンがスタートしますが、どんなレッスンになるのか、今から楽しみです。
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