(この記事は、第221号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回は、最近のレッスンの様子についてです。
4月に入りますと、毎年恒例になっているレッスンのタイムテーブルの調整があります。これまでの曜日や時間帯ではレッスンに来られなくなる生徒さんを、他の曜日や時間帯に移動して頂く調整です。
時間帯が合わなくなるのは、生徒さんが新しい学校に入学するタイミングが一番多いのですが、塾に通うようになったり、大学生でも合わなくなることが多々あります。
大学生のレッスン時間を変更することが多いのは、意外に感じるかもしれませんが、前期と後期で授業科目が変わったり、学科によっては実習が始まりますと、スケジュールが大きく変動するのです。
レッスンのタイムテーブルの調整は、大した事が無いように見えて、これがなかなか簡単に決まらない事が多いのものです。
元々レッスンのスケジュールが詰まっている上に、生徒さんごとに、通うことが可能な時間帯が決まっています。例えば、お仕事をされている方は、午前中から夕方までは不可能ですし、小さいお子様の場合、幼稚園/保育園や学校が終わってからの時間帯で、更に夜間は不可能です。
今年も、小学校に入学された生徒さんが、これまでの時間帯では来られなくなり、もう少し遅い時間帯を希望されました。レッスンのスケジュールを見ますと、空きがほとんど無かったのですが、移動可能な生徒さんがいらしたので、事情をお話しして快諾して頂けました。すんなりと決まって、むしろ驚いたくらいです。
先日、その小学生になったばかりの生徒さんのレッスンがありましたが、これまでの元気よく通っている姿と異なり、レッスン室前の椅子にもたれかかって、疲れている様子でした。
お母様がおっしゃるには、小学校に入学してから、精神的に少し不安定になっていて、落ち着きがなかったり、習い事に行きたくないと言っているというのです。
この日も「眠い、眠い」と連発していて、なんだか可哀想になったのですが、それでもいざレッスンが始まりますと、大好きなリズム打ちで気分が少し上向き、ピアノ演奏では、2曲も仕上がって丸になり、帰る時には笑顔で手を振って帰っていきました。
新しい生活環境になったので、今はなかなか大変な時期ですが、少しずつ慣れて、お友達もたくさんできたらいいなあと思っています。
ご高齢の大人の生徒さんは、レッスン時間の移動もなく、同じ曜日の同じ時間で来られる方がほとんどです。
10年以上通われている方も少なくありませんので、ピアノ教室に親近感を持っていただけているように感じます。プライベートな事もいろいろとお話され、幼少期の事から学生時代の事、結婚した時のこと、嫁姑問題、入院して手術した時のこと、息子さん家族の事まで話題に挙がります。
先日は、いつもポジティブで明るくお元気な80代の生徒さんがレッスンに来られましたが、少しだけいつものお元気な様子ではありませんでした。
お話を伺いますと、これからの生き方について不安を持っているようでした。
息子さんが結婚された時に、全部の費用をその方が出して2世帯住宅を建てられましたが、息子さん夫婦はすぐに引越しをしてしまい、今は大きなお家に一人で住んおられ、お庭の手入れも大変な事、アパート経営をされていますが、最近空き部屋が出てしまい埋まるかどうか心配な事、全部売ってしまって新しい高層マンションにでも引っ越そうかとも考えたそうですが、本当に大丈夫なのか心配な事などをお話されていました。
少し前から、息子さんが平日は寝泊りをされているそうですが、夜の早い時間に就寝して早朝にはお仕事に行かれる生活のようで、同じ家に住んでいるのに一緒に過ごす時間があまり無く、少し寂しいのかなあと感じました。
大好きな曲をたくさん弾いて、元気を取り戻して帰っていかれたのは幸いでしたが、少し考えさせられました。
他にも、クラス替えで仲の良いお友達と違うクラスになって少し落ち込んでいる小学生や、成績優秀者だけのクラスに入ることになり嬉しい反面、不安を抱える中学生、「今のクラスは最低!」と言っている中学生、お母様と上手くいっていない大学生など、悩みを抱えている方々が多い、というより、ほとんどの方が悩みを抱えて日々生活をし、そしてピアノのレッスンに通われているのかもしれません。
ピアノを教える身としては、ピアノのレッスンを行う事が最も重要な事ではありますが、生徒さん方のお話を聞いて、悩みを解決することは出来なくても、少しでも軽減できたり、前向きになり元気を取り戻せたら嬉しいものです。
ピアノ教室は、なんでも安心して話せる場でもありたいと思っています。
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