(この記事は、第235号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回の「たのしい音楽小話」は、ジョイントコンサートのお話です。
先日、ジョイントコンサートを行いました。私が、中学・高校生時代に師事していた先生の門下生7人で開いたものです。
大学入学後も、まれにこの先生のレッスンに通ってはいましたが、一昨年、先生がご自宅で開催している勉強会に誘っていただき、そこから定期的に伺っていました。
そこで或る時、先生から「皆さんでジョイントコンサートをやったら?」と提案をいただき、最初はみんな驚きましたが、いつしか前向きになり、コンサートを開催することになりました。
まずは、1人あたり何分くらいの長さの曲を弾くのかを決めて、それぞれ弾きたい曲を挙げていきました。7人もいますと、例えばショパンだらけになる可能性も大いにあるわけですが、いざ話をしてみますと、全員違う作曲家の作品を挙げていて、すんなりと決定しました。もちろん偶然の出来事ですが、みんなビックリしました。
曲によっては、小品をもう1曲追加して2曲弾く事にして、おおよそ全員が同じくらいの長さになるようにしました。
そして、それぞれが練習を始め、先生のアドバイスを受けながら準備を進めました。
しかし、コンサートの準備は、曲の練習だけではありません。
コンサートを開催するホールを決めて、予約しなければなりません。客席数や希望日などからホールを選び、予約をしました。
その他にも、演奏順を決めたり、チラシやプログラムの準備も必要です。
演奏順については、いろいろな決め方がありますが、それぞれが弾く曲の長さから2グループに分け、前半をどちらのグループにするのか決めていきました。そして、前半・後半の中で、作曲家の古い順に弾いていく事に決めました。
コンサートのチラシについては、メンバーの一人が、いつもコンサートなどで利用している印刷屋さんに依頼してくれることになりました。チラシとチケットの枚数やサイズを決めたり、チラシのデザインの希望や、出演者のプロフィールを掲載するかどうか、掲載する場合一人何文字くらいに収めるか、顔写真は掲載するか、カラーにするか白黒にするかなど、その都度みなさんと相談をしながら決めていきました。
出来上がった見本を見て、カラーなどを再度リクエストして、コンサート1カ月前くらいに完成したチラシを生徒さんや友人などに配りました。配ったその日に、チケットのお申し込みをしてくださる方もいらっしゃいました。
衣装についても、同じ色が何人も重なる事がありますが、曲目の時と同じく、ほとんど色合いが重ならずビックリしました。
本番前に、コンサートと同じホールを借りて、リハーサルを行いました。
朝から先生も立ち会って下さり、舞台上のピアノの位置や照明の加減、舞台の高さを決めたり(今回のホールでは、舞台の高さが自由に変えられるのです)、録音やマイクの使用方法、楽屋の下見なども行いながら、当日と同じピアノで練習をして、先生からアドバイスを頂きました。
そして、本番当日。調律後に最終リハーサルを行い、午後からコンサートが始まりました。
開演30分前に開場でしたが、その時から予想を超える大勢のお客様がいらっしゃり、空席を探している方もいらしたほどでした。
本番前の楽屋は、ピリピリと張りつめた感じではなく、いつもの勉強会と同じような、和やかな雰囲気でした。偶然にも同じドレスショップで購入した方がいて、その話で盛り上がったりしました。
後半の最初が私の出番でした。
朝から妙な緊張感がありましたが、お昼くらいにはほぐれてきた感じで、このまま緊張せずに弾けるのでは?と思ったりもしましたが、実際にはそのような事はなく、曲の最後の方まで緊張したままでした。
ピアノのレッスンで、大人の生徒さん方が「普段の方が、もうちょっと上手なのよ」とお話されるのですが、その気持ちがよくわかります。
いつも本番を終える度に、思ったように弾く事は難しいと感じたり、もっと練習しておけばよかったという気持ちにもなりますが、今後の練習方法の改善点なども見つけられ、収穫の多いものでした。
コンサート終了後に、舞台上で集合写真を撮り解散となりました。
今回のコンサート会場は、普段私がピアノのレッスンをしている教室から結構遠い場所にありますが、生徒さん方もいらして下さり、友人にも久しぶりに会えて、楽しいひと時にもなりました。チケットを買って足を運んで頂いたわけですから、本当にありがたいものです。
以前先生が、「私もコンサートをやった時には、お客様にはチケット代をお返しするだけでなく、お弁当も出したいくらいの気持ちよ」と仰っていましたが、本当によくわかる気がします。
感謝の気持ちを忘れずに、これからもピアノレッスンの指導だけでなく、自分の演奏技術向上にも精進したいと思います。
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