(この記事は、2020年4月13日に配信しました第295号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回も、新型コロナウイルスの影響についてのお話です。

前回、ようやくレッスンが再開されたお話をしましたが、2週間でまた変化がありました。

相変わらずテレビなどで、「今日の感染者数は〇〇〇人」と報道されており、日に日に人数が増えて不安に思っている方も多いと思います。

そして、4月7日、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に、緊急事態宣言が発出されました。

その前から、発出されるのではないかと噂されていて、生徒さんからは、「レッスンはどうなるのか?」というお問い合わせもありました。この時は、まだ何も決まっておらず発表もされていなかったので、「何か決まりましたら、すぐにご連絡いたします」としかお答えできない状況でした。

他のピアノ講師の間でも、不安の声が上がっていました。2月下旬からの休講、そして、3月中旬からの2回目の休講でレッスン回数はかなり減っており、年間決められたレッスン回数をこなそうとしても、補講の日程調整が難しくなってきます。

補講をお休みされた生徒さんに、再補講を行うかどうかについても意見は分かれ、6月、7月に予定されているお子様の発表会についても結論が出ていません。生徒さんから、「発表会はどうなるんでしょうか?」と質問をいただきますが、「今のところは予定通りに開催できるように、準備しているところです」とお答えし、レッスンでも発表会で弾く曲を練習しました。

緊急事態宣言が発出されることがほぼ確定したタイミングで、レッスンをゴールデンウィーク終了日まで休講する事が決まりました。

レッスンが再開されていた時期でしたから、レッスンの合間に、これからレッスンを行う生徒さんと、終了して帰宅される生徒さんに慌てて声をかけて伝えました。生徒さんの殆どは、「そうですよね」「そうだと思いました」という反応でした。

他の曜日の生徒さんにもご連絡しましたが、やはり多くの方が、思った通りという反応です。ただ、中には、開口一番「え~、そうなの~? 残念だわ~」と、本当に残念に思ってくださる方もいました。

ご高齢の生徒さんは、他の習い事なども休講になり、ピアノだけが唯一の息抜きとなっていたようで、感染を心配すると同時に、「ピアノがなくなっちゃうと、私、本当に何もなくなっちゃうのよ…」と切実に話されていて、お電話で話を聞くぐらいしかできず、なんとも歯がゆい気持ちになりました。

私が師事している先生の門下生仲間では、zoom というパソコンやスマートフォンのアプリを使用してオンラインでレッスンを行っている人もいると聞きました。

通常のレッスンどころか、補講もできない状況では、ウイルスの影響を受けないオンラインでのレッスンはメリットがあるように思えますが、レッスン室の施設費込みの月謝体系をどうするのか、生徒さん方が、オンラインレッスンが受けられる環境を用意できるのかなど課題も多くあります。特に、ピアノのレッスンの場合、講師側の映像だけでなく、生徒さんがピアノを弾いている映像も見る必要がありますので、部屋の一部が映ることを敬遠される生徒さんもでてくるでしょうし、セキュリティーの心配もする必要があります。

ただ、無理と決めつけてしまっては、先に進みません。現に、対面授業が難しくなった学習塾は、オンライン授業に切り替えてきていますし、この社会情勢にどのくらいのスピード感をもって対応できるかで、今後の教室の明暗が分かれる可能性もあります。

コロナウイルスの影響は、ゴールデンウィークどころか、何年も続くという見解もありますし、終息しても、以前と同じ社会には戻らないとも言われます。今後、ピアノ教室やレッスンの在り方も、変わってくるのかもしれません。

それと同時に、このような時は、自宅でゆっくり音楽と向き合い、音楽の素晴らしさを感じる機会にもなり得ます。

ピンチをチャンスに変えて、より良い教室、より良いピアノレッスンに脱皮できるよう、いろいろと情報を収集して提案していきたいと思っています。

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