(この記事は、2020年6月8日に配信しました第299号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回は、レッスン再開のお話しです。
コロナウイルスの影響で、ピアノ教室は2月下旬から休講続きでしたが、非常事態宣言の解除を受けて、ようやく6月からレッスンが再開されました。
生徒さん方とは、休講中も連絡を取り合い、オンラインレッスンでもお元気な事は知っていましたが、やはり直接お会いできるのは、とても楽しみですし、嬉しい事です。
レッスン再開の日にちが決定した際は、とても嬉しそうな文面のメールが生徒さんから届き、中には「やったー」という一言と笑顔の絵文字だけを返信された、お茶目な生徒さんもいらっしゃいました、
レッスン再開初日は、「感染予防対策の取り組み」とレッスンにいらっしゃる際のお願いを書いた手紙をお渡ししました。
レッスン室には、生徒さんと講師の間に感染予防のビニールカーテンが設置され、1つのレッスンが終わり生徒さんが入れ替わるごとに、レッスン室のドアノブやピアノの鍵盤、ビニールカーテンの除菌を行い、ドアや窓を開けて可能な限り換気も行います。レッスンでは、生徒さんもマスク着用で、入り口で消毒や検温にもご協力いただいていますが、全員の方が快く対応して下さいました。
生徒さん方は、みなさんお元気な様子で、休講中の出来事などを話してくださいました。
ガラケーをずっと使われていた方が、「やっと、YouTube が見れるようになって、早速ピアニストの演奏を聴いてみました」と嬉しそうにお話されていたり、「小学校に行ってきたよ」と入学のご報告をしてくださった小さい生徒さんもいらっしゃいました。
ご出産を終えて、家族が増えた方もいらっしゃいましたし、弟が生まれてお兄ちゃんになった生徒さんもいらっしゃいました。
お兄ちゃんになった生徒さんのお母様は、「3兄弟になり、毎日にぎやか、というよりうるさいです」と、ややお疲れ気味ではありましたが、笑顔でお話されていました。生徒さんは、生まれたばかりの弟を抱っこしたり、オムツまで代えているそうで、「すでに、即戦力になっています」と、お母様はおっしゃっていました。
小学生になったばかりの生徒さんは、休講中も頑張って練習していたらしく、はるか先の曲を指して「ここまで弾けるよー」と話していて驚きました。実際にレッスンで弾いてもらいますと、危なげもなく、とてもすらすらと弾いていて、気が付けばなんと8曲も仕上がって終わらせていました。
「すごいね~。1回のレッスンで8曲も終わった人は、〇〇ちゃんが初めてよ。ずいぶん頑張って練習していたのね」とお話しますと、とてもニコニコの笑顔で頷いていました。
レッスン室の外で待っていたお母様にも、「今日は、なんと8曲も終わりになりました。休講中もしっかりと練習を見てくださっていたようで、ありがとうございます」とお話をしました。こちらのお母様も、ややお疲れ気味な表情でしたが、私の話を聞いた時には、パッと明るく嬉しそうな表情をされていました。
幼稚園生と小学生の姉妹は、オンラインで何回もレッスンをしていましたが、やはり直接レッスンが受けられる事を、楽しみにしてくれていたようです。
幼稚園生の生徒さんは、「最後まで弾けるようになったよ」と自信満々で話していて、一生懸命に最後まで曲を弾ききっていました。
小学生のお姉さんの生徒さんは、小学校の大量の課題にかなりお疲れ気味な様子でしたが、レッスン室に入った途端、天井からぶら下がっている感染予防のビニールカーテンに目を奪われて、たちまち元気が復活していました。
「なんかおもしろ~い」と、ビニールカーテン越しにニコッと笑顔で手を振り、私も真似すると大笑いして楽しんでいましたが、レッスンが始まりますと、かなり慣れてすらすらと弾いていて、見事に曲が仕上がりました。
発表会用に練習している「エリーゼのために」も、後半部分の左手の連打が出てくるところが、かなり譜読みが進んでいて着実に進んでいる事がわかりました。
レッスンが終わり、レッスン室の外で待っていたお母様からは、「発表会がだいぶ先に延期されたので、下の子は、もう少し難易度の高い曲に挑戦させたいのですが…」と、ご相談がありました。
「次の教材を見ていて、この曲は、華やかで長さもちょうどよいのかなと思っているのですが、いかがでしょうか」ともお話されていました。
お母様自身がピアノがお弾きになれるとは言え、お子様の続きの教材を用意して、どんな曲があるのかをチェックし、お子様に合いそうな曲を見つけているとは、とても凄いなあと思いました。
「発表会は、半年後くらい後になりそうですし、もう既にかなり曲が仕上がっていますから、私も他の曲に替えた方が良いかなと思っていました。この曲は、確かに明るい曲で長さも手頃ですし、十分弾けると思いますから、とても良いと思います」とお話しますと、「そうですか!」と嬉しそうなお返事がありました。
大人の生徒さんは、前の時間のレッスンに来ていた中学生の生徒さんの演奏をレッスン室の外で聴いていたようで、レッスン室に入るなり、「あの子、随分上手になったよね~」と、とても感心されていました。
偶然にも同じ曲をレッスンしているので、なおさら意識しているのかもしれませんが、「あんな速さで弾いていて、すごいよね。自分は弾けないんだよね~」と言いつつ、熱心に演奏していました。
他の大人の生徒さんとは、ショパンコンクールの延期の話や、リモートでプロの演奏家が演奏しているテレビ番組の話をしました。いろいろな楽器の演奏家が出てきて、番組の長さなどの関係で、かなり短く割愛して演奏していた話や、リモート演奏でも上手であることが伝わるものですねと感想を話されていました。
長い休講が終わり、やっとレッスンが再開になったわけですが、以前とまったく同じに戻ったわけではなく、生徒さん方には、いろいろとご協力いただいたり、不便をおかけする部分もあります。それでも、レッスンに来てよかったと思っていただけるように、ますます頑張りたいと思いました。
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