今回は、ショパンコンクールについてです。
音楽のコンクールは、日本国内だけではなく、世界中で行われています。
小さなお子様を対象としたコンクールでは、優秀な奏者を選ぶという目的以外に、日頃の練習の成果を発揮する場であったり、コンクールに参加する事で、さらなる成長を期待したり、経験を積むという目的で参加されることもあります。
しかし、大人が対象のコンクールになりますと、コンクールで良い成績を収めて、更に難しいコンクールへのステップとしたり、ピアニストとしてデビューするきっかけを作る目的で参加される事が多いようです。
個人的には、演奏に善し悪しを付けるというコンクールそのものに少々抵抗を感じるのですが、逆にそのようなチャンスが無いと、演奏家としてデビューする事は、よほどの事がない限り難しくなります。
私が知っている限りでも、コンクールの入賞歴が無くて、世界の第一線で活躍をされている方は、ヴァイオリニストの五嶋みどりさんくらいしか思い浮かびません。
そう考えますと、コンクールは、客観的な評価や知名度を得て、その後にピアニストとして活躍する為には大変重要なチャンスとも言えます。
ピアノのコンクールの中で、世界最高峰に挙げられるのは、やはりショパンコンクールです。ピアノの詩人と呼ばれ、誰もが憧れるショパンを記念した国際ピアノコンクールで、5年に一度、ショパンの故郷であるポーランドのワルシャワで行われます。
1927年から開催され、今年は第16回目となりますが、ショパンのメモリアルイヤーと重なる為、さらに盛り上がること間違いなしです。
コンクールと言うと、その場で1・2曲くらい弾いて順位がつくというイメージを持たれるかと思いますが、そんなに簡単ではなく、スタートラインに立つまでも、実は大変だったりします。
ショパンコンクールは、第1次予選・第2次予選・第3次予選・本選と言う流れになっています。本選へ行くためには、予選を3回も勝ち進まなくてはなりません。これだけでも、先は長いと思いますが、なんとその前に予備選考があるのです。
以前は、書類選考とテープ審査で行われていましたが、前回のコンクールから変更され、ワルシャワに行って審査員の前で演奏をするスタイルになりました。予選に立つために、ワルシャワまで足を運ぶということになります。
今年は4月12日から30日までこの予備選考が行われ、色々な国から多くの参加者が集まりました。日本人は、40人が参加するというダントツの多さになりました。
練習曲、マズルカ、ノクターンをそれぞれ弾き、その他にバラードやスケルツォ、舟歌、幻想曲から1曲弾くので、一人30分ほど弾きます。ちょっとしたミニコンサートのようですね。
この予備選考で、81人の合格者が決まりました。
気になる日本人の成績ですが、17人が合格し、国別では一番多い合格数となりました。
その他はロシア、中国が約10人づつくらいで、ショパンの故郷であるポーランドは7人の合格者が出ました。
ポーランド人にとっては、やはり自国を代表する作曲家ですし、そのコンクールですから、思いの強さはどこにも負けないのでしょう。また、前回久しぶりにポーランド人が優勝しましたので、「今年もまた優勝を」と思っているポーランド人が殆どなのではないかと思います。
(次回へ続く・・・)
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