(この記事は、2022年12月26日に配信しました第362号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回は、年末のピアノ教室の様子です。
今年のクリスマスは、久しぶりに週末になりましたので、ご家族やご友人とゆっくり過ごされた方も多いのではないでしょうか。クリスマスが終わると、直ぐにお正月ですから、師走の慌ただしさを感じる今日この頃です。
ピアノ教室の生徒さん方は、既に今年のレッスンを終えた方もいらっしゃいます。先月の発表会に参加された大人の生徒さんも、この間、今年最後のレッスンを終えました。
「先生、(レッスンを始めて)もう何年になるの?」と唐突に聞かれましたので、ドキッとして、「それ、聞きます?」と笑いながら、「今年で25年になりますね」とお答えしますと、「いや~、これまでのレッスンで、途中休会したこともあったけれど、でもずっと同じ先生に習えるなんて…って思って」と、感慨深そうに話されていました。
「そうですね。私が新卒でピアノ講師としてレッスンを始めた時からのご縁ですものね」と、これまでの年月を振り返って、しみじみとした気持ちでお答えしました。
「お互い元気で、これからも末永くよろしくお願いします」とおっしゃっていただき、とてもありがたく思いました。
この生徒さんが入会された時は、まだお子様がかなり小さく、「急に保育園に子供を迎えに行かないといけなくなったので、レッスンをお休みします」というご連絡をいただいたこともありました。それが、気が付けばその保育園生だったお子様は大学を卒業し、社会人となり、ご結婚もされています。新米のピアノ講師の時からのお付き合いなので、恥ずかしい感じもするのですが、そのくらい長い間ピアノのレッスンに通っていただいているとは、感謝しかありません。
急なお仕事が入ることも多々あるようで、いつもお忙しそうですが、これからもマイペースでピアノを楽しんでいただけたらと願っているところです。
12月には、グレード試験を受けた小学生の生徒さん方もいらっしゃいますので、その様子も書いておきます。
強力なお姉さんのサポートを受けて、初めて受験した生徒さんは、自由曲はかなり安定感があり、課題曲は概ね良い感じですが、体がまだ小さいため、かなり高い音域で弾く箇所が多少不安定になり、少し苦戦していました。当日の試験では、これまで苦戦していた様子が全くわからないくらい、難なく弾きこなしていて凄いなあと思いました。
自由曲も、普段のレッスンと同じく軽快なテンポ感で弾き始め、順調だったのですが、最後の場面でミスが出てしまい惜しい演奏になってしまいました。演奏後に生徒さんに聞いてみますと、繰り返して弾く所で、1回多く弾いてしまったと思ったのだそうですが、実際には1回少なかったので、演奏と楽譜の認識のずれが原因のミスでした。
審査したアドバイザーのコメントでは、曲想や表現力などについて、2曲とも全体的にかなり良い評価で合格だったのですが、ミスした所について指摘とアドバイスが書かれていました。曲の構成について、もっと踏まえていくようにとの趣旨でしたので、生徒さんやご家族と今一度確認して、今後に繋げようということになりました。
その翌週にも、姉妹の生徒さんがグレード試験を受けました。妹さんは、課題曲の細かい指の動きや、自由曲の紛らわしいフレーズの区別、新しいフレーズにスムーズに入るところが課題でしたが、本番では落ち着いて弾けていました。新しいフレーズに移るところも、とてもスムーズに弾けていてほっとしました。
お姉さんは、テンポの速い課題曲で、速く指を動かして両手を揃えて弾く所や、情熱的に弾き始めるところで、多少大人しい感じになってしまうところで苦戦していましたが、本番では、曲の出だしから曲想をよく踏まえた演奏ができていて、速く指を動かすところでは、1回目が少し不揃いになってしまいましたが、2回目、3回目と回数を重ねるごとに、きちんと修正してピッタリと両手を揃えて弾けていて、調整力が付いてきたと感心しました。
アドバイザーのコメントでは、曲想やレッスンで工夫して練習してきた所に高評価を付けていただきました。姉妹揃って合格となり、ご本人も嬉しそうな様子でしたし、お母様もホッとされている様子でした。
グレード試験は、小さいサロンで行われました。試験ではありますが、コンクールのようなピリピリとした緊張感はなく、割とアットホームな雰囲気で発表会に近い感じでした。週末開催ということもあり、生徒さんのご家族も勢揃いで、お子様が演奏する順番になりますと、ご両親がそれぞれスマホやビデオで撮影をしていて、中には演奏が終わって、ほっとした様子で自分の席に戻ってくる様子まで撮影している方もいらっしゃいました。どのご家庭も、とても熱心で素晴らしいなあと思いました。
会場の最後部の席には、レッスンを担当している講師が何人も聴きに来ていましたが、ご自分の生徒さんが演奏している時には、体をゆすりながら拍子を取りつつ、熱心に聴き入っている講師もいました。
グレード試験は、公開試験ではありますが、他の方との比較ではなく絶対評価で合否が決まりますから、過度なプレッシャーを感じることもありませんし、頑張ったところを具体的に評価してもらえます。また、発表会以外にも本番がある事で、人前で弾く経験が増えますし、課題も直ぐ次の本番に生かせると思います。来年グレード受験する生徒さんもいらっしゃるので、私も今回の経験を生かして、手堅く合格を頂けるように、レッスンをしていこうと思っています。
今年は、コロナの影響を受けましたが、レッスンや発表会などが少しずつ元へ戻り始めた一年だったと思います。生徒さん方も、大きな病気や怪我がなく、元気にレッスンに通って下さいましたし、新しく入会された生徒さん方をお迎えすることもできました。来年も、安心・安全を心掛けながら、楽しく上達できるようなレッスンが行えるように頑張りたいと思います。
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