(この記事は、第57号のメールマガジンに掲載されたものです)
猛暑が珍しくなくなった今年の夏も終わり、急に秋の気配を感じる今日この頃です。
今回のピアノ教室の出来事では、大人の生徒さんの発表会のお話をします。
音楽教室では、夏から秋にかけて発表会がたくさん行われます。お子様の発表会は、夏休みに行われることが多いのですが、それが終わりますと今度は大人の発表会です。
通常、1回の発表会のステージでは、20から30人ほどの生徒さんが出演されるので、お子様の発表会の場合、一人の講師のクラスだけで行うことがよくあります。
しかし、大人の発表会ではお子様と違って全員参加ではないので、各講師のクラスから出演される生徒さんが少なく、おのずと多くのクラスが合同で行うことになります。
一緒に行うクラスも毎回異なるため、顔ぶれも変わってきますし、ピアノだけの時もあれば、ヴァイオリンなど他の楽器の生徒さんがいるときもあります。また、発表会のレベルも毎回随分と開きが出てきます。
以前行われた発表会では、20代の若い世代の生徒さんが多く出演し、小さい頃からずっと継続して習っているような方々ばかりでした。そのため、当然レベルが相当に高く、随分と難しい曲がプログラムに並び、しかも一番最後に弾いた方は現役の音大生だったので驚いたことがあります。
そうかと思えば、緊張が移ってしまったのか、演奏している生徒さんが次々とミスをして止まってしまい、始めから弾きなおしたりして、ものすごく時間がかかってしまったこともありました。
小さい頃からピアノを習っている生徒さんは、発表会ではクラシックを弾くことが圧倒的に多くなります。ショパンの「幻想即興曲」やリストの「愛の夢第3番」など誰もが知っているような曲だけではなく、ショパンのワルツや練習曲・バラード・スケルツォ、ベートーヴェンやシューマン、シューベルトなどのソナタ、ドビュッシーの「ピアノのために」や「版画」など、少し専門的な曲も並びます。
ショパンのバラード・スケルツォなどは、音大のピアノ科の学生さんが勉強するような曲なので、本当に難しい曲です。指導する立場としても、とても難しい曲なので大変です。
いざ本番で舞台に上がりますと、このような生徒さん方は、もう何回も発表会に出演されているので、あまり緊張しているようには見えません。発表会後に話を聞きますと、緊張はしているそうですが、緊張してもある程度普段通りの演奏が出来るようになっています。やはり場慣れの影響かもしれませんね。
衣装も、ロングドレスなどのフォーマルな装いで参加される方もちらほらいます。しかし、毎回顔ぶれが違うので、衣装についてもかなり違ってきます。
全員で集合写真を撮る時に、とてもよくわかるのですが、黒い服が流行っていた時に、黒い衣装ばかりが並んでいたことがあって驚いたことがあります。今回の発表会では、白やベージュ、黒、エメラルドグリーンなど、カラフルな衣装でしたので、見ていても華やかな雰囲気になりました。
これも、流行に敏感な若い世代の生徒さんならではかもしれませんね。
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