(この記事は、第59号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回のピアノ教室の出来事は、大人の生徒さんのお話です。
ピアノ教室では、年に数回発表会がありますが、いよいよ最後の発表会が近づいてきました。月に2回レッスンの大人の生徒さんを対象とした発表会です。
月に2回コースの生徒さんは、その殆どが大人になってからピアノを始めた方ばかりなので、「他の方が物凄く上手だったらどうしよう」というプレッシャーもあまりなく、気楽に発表会に参加できるのが魅力のようです。
しかし大人の生徒さんの場合、発表会の参加自体が自由なので、毎回全員が参加する訳ではありません。
今回の発表会では、初めて参加される生徒さんがいます。
50代の生徒さんで、ピアノを習った経験が全くない状態で、数年前からお教室にいらしていました。初心者なのですが、当初から指がよく動き、音もよくわかり、譜読みが速いので、初心者の大人の方用の教材を2冊、あっという間に終わらせていました。
そのまま続きの3巻目のレッスンをしていましたが、今回発表会に参加するということで、夏頃から発表会の曲をずっと練習しています。
発表会の曲については、早い時期からお話をしていて、この方だけでなく全ての生徒さんに、「どんな曲を弾いてみたいのか」「どんな感じの曲を弾いてみたいのか」を考えていただき、その上で候補の中から決めていったり、新しい曲をご紹介したりしています。
今回初めて参加されるこの生徒さんは、ずっと教材だけを使っていましたので、このような曲決めも初めての経験になります。どんな曲を本番で弾いてみたいのか、考えてきて頂くようにお話をしてから、しばらくこの話が出ませんでしたので、「大丈夫かしら」と心配していましたが、ある日突然「○○を弾いてみたいんです。あれって良い曲ですよね」と曲名を言われました。
特に初めての参加の場合、あまり考えがまとまらず「なんでもいいです」とか「よくわかりません」とおっしゃる方が多いので、具体的な曲名を言われたのには驚きました。しかも、「エリーゼのために」のように誰もが知っている曲ではなく、ピアノをある程度弾いている方でないと挙げられないようなピアノソナタなので更に驚きです。
難易度的には、その方にとってかなり難しいのですが、チャレンジすることになりました。しかも、もっと驚いたことに、楽譜を既に用意していて、練習も始めていたのです。
現在は、細かい個所の調整と、曲の出だしの完成度を上げる練習に加えて、本番を想定した練習も始めています。
「初舞台が成功するといいなぁ」と思いながら、レッスンを行っています。
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