(この記事は、第91号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回の「ピアノ教室の出来事」は、お正月休み明けのピアノ教室のお話です。
お正月休みも終わり、ピアノ教室はすっかり以前のペースに戻っています。
お子様の生徒さん方も、学校が始まっていますが、始めの1週間はなかなか大変だったようで、レッスンに来るなり、挨拶のあとに「うわぁ~、疲れた~」と言うのです。
「学校が始まって、またお友達とも会えて、楽しいでしょう?」
と聞きますと、「そうなんだけどね~」と言いつつ「1時間目から体育があって、すっごく寒くて3枚も着たけど寒くて。それで縄跳びをいっぱいした」と答えていました。
お正月の時期は寒いこともあって、あまり外へ出ず、体力が落ちていて、今までなんともなかった体育の授業が、少し辛く感じるのかもしれません。
そんな生徒さんもいましたが、大半はニコニコと笑顔でレッスンに来ています。
生徒さん方にお正月の過ごし方を聞いてみますと、大半は帰省です。
祖父母のお家へ行く事が多く、「○日はお父さんの方のおばあちゃん家に行って、次の日はお母さんの方のおばあちゃん家に行って」というスタイルです。
おじいさん、おばあさんに会えることも嬉しいのですが、お年玉が貰えることも、とても楽しみなようです。
小学校低学年の生徒さんに、「たくさんお年玉もらったの?」と聞くと「うん!」と答えるのですが、「よかったわね!、貰ったお年玉は何に使うの?」と聞きますと「わからない」という生徒さんが意外に多くて驚きました。
まだ小さいので、お金の価値や自分の欲しいものが、いまひとつピンと来ていないのかもしれません。また、ご両親が預かって貯金をしているケースもあるので、もしかしたら貰ったこと自体も、よく理解できていないのかもしれません。
これが小学校高学年になりますと、「半分は貯金して、残りの半分は服を買う」という答えが返ってきます。堅実さとお楽しみの部分もあり、上手な使い方だなあと感心してしまいました。
また高校生は、「特にコレというものは買わないけど、お友達と遊ぶ時に使う」という答えもありました。
大人になりますと、あげる立場ですから、羨ましいなあと思ってしまいますが、こうして有効に使ってもらえるなら、あげる甲斐もあるかもしれません。
大人の生徒さん方にお正月の過ごし方を聞いてみても、やはり帰省が殆どです。ただ、お子様のように「お正月が楽しかった」という感想ではなく、「大変でした!」「忙しかったです」「疲れました」という言葉が次々と出てきます。
お正月も、おせち料理を作ったとおっしゃる生徒さんが多く、ご高齢の生徒さんになりますと、お子様のご家族が来るという事で、10人分くらいのおせち料理を作った方もいらっしゃいました。
「(おせち料理を)買えば?と息子に言われたけど、10人分のおせち料理なんてないでしょ? 同じものを3・4セットも買わなきゃいけないからイヤよね?」とお話されていました。
「黒豆、なます、田作りとか色々と作って、漆のお盆に南天の実や葉を飾って。もちろんお雑煮も作ってね。」
「それはすごいですね。漆のお盆に飾りなどもして、それを全員分するんですよね。テーブルコーディネートですよね」
「そう、だから大変なの。それで孫たちが来るでしょ。おばあちゃんの作ったおせち料理は美味しいねって言って、おだてられちゃって」
おだてられて、とおっしゃってはいましたが、笑顔でお話をされていましたので、やはり嬉しいものなのですね。
別の生徒さんは、お正月になるとご親戚の方々がいらっしゃるそうで、「それぞれバラバラに来るから家を空けられなくて…」とお話されていました。
「年に1回なので・・・と言ってもお盆も集まるんですがね。なんとなく昔から集まるんですよね。誰がいつ来るかわからないので、なんだか落ち着かなくて…」
中学生の生徒さんは、毎年年末には、おばあちゃんの家へ泊まりに行くそうですが、「あまり行きたくない!」というのです。
理由を聞いてみますと、「紅白歌合戦を見たいんだけど、親戚の人とのおしゃべりタイムになるので見られないから」と言っていました。
「でも、今年はケータイを持っているから、ワンセグで見る!」と妙に張り切っていました。
紅白歌合戦は、人気歌手が一堂に集まるテレビ番組ですから、中学生にとっては絶対に見ておきたい番組なのでしょうね。
受験生の生徒さんは、まさに勉強漬けの日々だったようで、「お正月は、少しはゆっくりできたの?」と聞きますと、「うん。今年は3日から塾だったから。でもお姉ちゃんは去年、元日から塾に行っていたんだよ」と言っていました。
センター試験も始まっていますし、中学・高校の受験も、早いところでは、そろそろ始まるようなので、お正月は最後の追い込みの時期なのです。
生徒さんそれぞれのお正月の様子が垣間見えた気がしました。
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