(この記事は、第103号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、音楽祭についてです。

クラシック音楽のコンサートは、1年中日本各地で行われていますが、一流の演奏家のコンサートとなりますと、東京や大阪など大都市に限られてしまうことが多いかと思います。日程や交通の便など諸事情があるのでしょうが、演奏家やプログラムが魅力的でも、遠いため行けないのは、ちょっと残念ですね。

そんな時には、音楽祭に行ってみましょう。

音楽祭と言いますと、ザルツブルク音楽祭やバイロイト音楽祭などが有名で、海外で行われるイメージが強いかもしれません。しかし、実は日本でも、北は北海道から南は九州まで、全国的に開催されているのです。

これから開催される音楽祭を少し挙げてみました。

北海道の札幌で行われるパシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)は、世界的な指揮者であるレナード・バーンスタインの提唱で始まった音楽祭です。今年は、7月7日から8月4日まで開催されます。

長野県の松本では、8月4日から9月にかけて サイトウ・キネン・フェスティバル松本が開催されます。小澤征爾さんが総監督を務める音楽祭で、小澤征爾さんの先生で日本の演奏家を多く育てた斉藤秀雄を記念して結成されたサイトウ・キネン・オーケストラの演奏を聴くことができます。

群馬県の草津では、8月17日から30日まで草津夏期国際音楽アカデミーが開催されます。音楽監督は、ヴァイオリニストの豊田耕児さん、実行委員長を音楽評論家の遠山一行さんが務め、日本で最初の夏の音楽アカデミー(講習会)とフェスティバルから成る音楽祭です。今年は、生誕150年で話題となっているドビュッシーとモーツァルトがテーマです。

鹿児島県では、7月18日から8月5日まで霧島国際音楽祭が行われます。音楽祭のために1994年に建てられた霧島国際音楽ホールは、国際音響学会で「奇跡のホール」と称賛されています。

また、既に終了してしまいましたが、大分県で開催される別府アルゲリッチ音楽祭も有名です。

いずれの音楽祭も、一流の演奏家を目指す若手演奏家が、更なる研鑽を積むためのマスタークラスというレッスンが公開されたり、その音楽祭の時だけに結成されるオーケストラの演奏を聴くことが出来ます。

指導される世界の音楽アカデミーの教授や演奏家のコンサートも開催され、普段のコンサートとは一味も二味も違ったものになっています。未来の巨匠となる若手演奏家のレッスン風景を見るのも楽しみですし、もちろん世界一流の演奏家の演奏を聴けるのも魅力的です。

今回ご紹介した音楽祭は、いずれも夏休みの時期に開催されますので、夏休みの楽しい思い出にもなりそうですね。一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。

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