(この記事は、第116号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回の「たのしい音楽小話」は、ストリングラフィという楽器を使用したコンサートのお話です。
オーケストラのコンサートなどへ行きますと、実に色々な楽器があることを改めて感じることがあります。
ヴァイオリンやチェロなどの弦楽器に、クラリネットやフルート、トランペット等の木管・金管楽器、ティンパニなどの打楽器もあります。また、オーケストラにはなかなか登場しませんがハープやマリンバ、また学校の授業等で使用するリコーダーや鉄琴、ハーモニカなども、よく知られた楽器です。もちろん、一番演奏している方が多いピアノも忘れてはいけません。
これらの楽器以外に、琴や三味線など日本独自の楽器もたくさんあり、他の国にもそれぞれ独自の楽器がありますから、膨大な種類の楽器が存在していることになります。
先日は、ストリングラフィという楽器のコンサートへ行ってみました。この楽器の名前は聞いたことが無い方が圧倒的に多いと思いますが、実は小さい頃に遊んだ経験のある方は多いと思います。
これは、糸電話の楽器なのです。
私も小学生の頃、学校の授業で作って遊んだ経験があります。2つの紙コップに糸を通し、ピンと張った状態で紙コップの底に向かって話すと、もう片方の紙コップから声が聞こえてくるものですね。
この原理を応用して、スタジオ中にたくさんの糸電話を並べ、音階を作って演奏するのがストリングラフィという楽器なのです。
この楽器を考案した作曲家など4人の演奏者が、楽器の説明やお話も交えながら、次々と色々な演奏をしました。
絹糸で作られたストリングラフィを指ではじいて音を出しますので、ハープや琴の音に近い感じがします。ヴァイオリンなどの弦楽器で、弦をはじいて演奏するピチカートに近いとも言えますね。
コンサートでは、パッヘルベルのカノンなどのクラシック音楽や、お子様に人気の曲などが演奏され、後半には体験コーナーもあり、実際に触って音を出すことができました。
ソプラノ、アルト、バスの3パートがありますが、スタジオ全体が楽器になりますので、聴衆は、その間に座って聴く形になります。すぐ横で演奏されるので、間近で見て聴くことが出来ます。こんなに近くで演奏を聴けるのは本当に珍しいと思います。
また、通常のコンサートでは、「未就学児は不可」などお子様が聴きに行けない事も多いのですが、このコンサートはなんと0歳児から楽しめるという事で、あちこちで小さなお子様連れのお客さんも見かけました。
小さい頃から生の演奏を聴くのは、とても良い体験になると思います。
実際にどのような音なのか、ご興味がある方は一度お聴きになってみるのも良いかもしれません。定期的にコンサートも行われていますし、インターネットで「ストリングラフィ」のキーワードで検索すると、動画などを見ることもできます。
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