今回は、3・40代の男性の生徒さんのお話です。

この方は、一年のうち かなりお仕事が忙しい時期があるようで、その時には、1か月以上もレッスンがお休みになったり、大きなお仕事が終わると疲労のために体調を崩されたりと、なかなかコンスタントにレッスンが進みにくいのですが、もう10年以上も通われています。

元々クラシック音楽がお好きなようで、NHK交響楽団の定期会員や、音楽事務所の会員になって、秋のコンサートシーズンでは、多い時は1カ月に3回ほどコンサートを聴きに行っているそうです。

レッスンでは、もちろんピアノを弾いているわけですが、コンサートではピアノだけではなく、ヴァイオリンリサイタルやオペラなども聴いているそうです。

ピアノのレッスンは、着々とは進められないのですが、以前は2年ほどかけて、ベートーヴェンの「エリーゼのために」を完成させました。

しかし、ある時、「ちゃんとピアノを弾けるようになりたいので、やはり練習曲集をやったほうがよいのでしょうか」とおっしゃるのです。

お聞きしてみますと、この生徒さんには将来の夢があったのです。

それは「定年後に、ヴァイオリンを弾いている友人の伴奏をしたい。一緒に音楽を演奏したい」というものでした。

伴奏は、自分の弾くところだけではなく、自分以外の人の音楽も聴いて理解しながら、一緒に1つの音楽を作っていくものです。ですから、ある意味、一人で弾くよりも難しい部分もあります。

しかし同時に、音楽を共有して一緒に作り上げるという楽しみもあるわけです。

それを達成するためには、そのご友人と同等レベルまで技術を上達させる必要があるわけです。

現在は、練習曲集で指を動かす訓練を中心に進めています。

夢に向かって、一歩づつ今もレッスンに通われています。

「ピアノ教室の出来事」について

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