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世界3大ピアノ弾き比べ (後悔しないピアノ選び) |
日本では多くの方が、ピアノというとヤマハやカワイのピアノを思い浮かべるようですが、世界の3大ピアノメーカーと言えば、スタインウェイ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタインです。
どのメーカーも、生産量はヤマハに比べて圧倒的に少ないですが、老舗の高級ピアノメーカーとして大変有名です。
では実際に、ピアノのメーカーによって、音はどのくらい違うものなのでしょうか。
今回、比較的近いサイズのグランドピアノで弾き比べをする機会がありましたので、その音をお届けしたいと思います。
今回使用したピアノは、以下の通りです。(価格はいずれも税込み)
ヤマハ・グランドピアノ S4B (販売価格 4,095,000円)
ヤマハは、国内では、圧倒的なシェアと販売網を持つピアノメーカーです。「ピアノというとヤマハ」と思っている方も多いのではないでしょうか。
ピアノの量産を成功させ、ピアノの値段を大幅に下げることに成功したピアノメーカーでもあります。
今回使用するSシリーズは、ヤマハのグランドピアノの中でも高級品で、同じサイズの一般的なヤマハのグランドの2倍近い値段がするものです。
ベヒシュタイン・グランドピアノ Model A.160 (販売価格 4,200,000円)
ベヒシュタインは、ドイツのピアノメーカーです。「ピアノのストラディバリウス」とも呼ばれ、リストやトビュッシーが絶賛したピアノとしても有名です。
ベヒシュタインのピアノの特徴は、ひとつひとつの音が濁らない「音の透明感」と「音の立ち上がりの鋭さ」、そして「響きの強さ」です。
ベヒシュタインは、3大ピアノメーカーの中では唯一、アップライトピアノにも力を入れていることでも有名です。
ベーゼンドルファー・グランドピアノ Model.185 (販売価格 10,500,000円)
ベーゼンドルファーは、オーストリアのピアノメーカーです。
ピアノのボディー全体を鳴らして醸し出す、その柔らかい音は、「ウィンナー・トーン」を今に伝える「ウィーンの宝」とも言われます。
創業から180年で、まだ生産台数が5万台程度と、その生産台数の少なさから、幻の名器とも言われました。
色々な輸入ピアノの調律を行う有名な調律師さんなども、最後はベーゼンドルファーに魅了される方が多いと言われるほど、他のメーカーのピアノにはない、素晴らしい音を奏でます。
スタインウェイ・グランドピアノ Model A-188 (販売価格 9,870,000円)
スタインウェイは、世界で最も有名な高級ピアノメーカーで、高級ピアノの市場では、日本も含めて圧倒的なシェアを誇っています。
有名な音楽ホールに置かれているピアノは、ほとんどがスタインウェイですし、テレビやラジオ、そして音楽CDなどで聴くピアノの音のほとんどは、
このスタインウェイのピアノの音と思ってよいでしょう。
スタインウェイのピアノが、プロのピアニストに支持されている理由は、「音の迫力と力強さ」「適度な響き」、そして幅広いジャンルの音楽に合う「表現の多彩さ」にあります。
特に、高音部の音が低音部の音に負けず、華やかで、ホールの隅々まで届くことが、ピアニストとして安心できるところだと思います。
音の比較
それでは、実際に、それぞれのピアノの音を聴いてみてください。
ヤマハ
ベヒシュタイン
ベーゼンドルファー
スタインウェイ
いかがでしたでしょうか。ベヒシュタインのクリヤーな音、ベーゼンドルファーの木が奏でるやさしい音がわかりましたでしょうか。
録音した音ですので、実際にピアノの近くで聴いたときのような鮮明な違いは確認しにくいかもしれません。今度は、これらのピアノで同じ曲を演奏してみます。
「エリーゼのために」の弾き比べ
「エリーゼのために」を、それぞれのピアノで弾いたときの音を聴いてみてください。
「エリーゼのために」の始めの部分だけでなく、いくつか特徴的なフレーズの音も録音してみましたので、それらの音を比較してみますと、それぞれのピアノの特徴が理解できるのではないでしょうか。
ヤマハ 「エリーゼのために 1」
ヤマハ 「エリーゼのために 2」
ヤマハ 「エリーゼのために 3」
ベヒシュタイン 「エリーゼのために 1」
ベヒシュタイン 「エリーゼのために 2」
ベヒシュタイン 「エリーゼのために 3」
ベーゼンドルファー 「エリーゼのために 1」
ベーゼンドルファー 「エリーゼのために 2」
ベーゼンドルファー 「エリーゼのために 3」
スタインウェイ 「エリーゼのために 1」
スタインウェイ 「エリーゼのために 2」
スタインウェイ 「エリーゼのために 3」
なお、ピアノは調律の仕方(調律の善し悪し)によっても、かなり音が変わります。
また、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファー、スタインウェイのピアノは、工業製品というよりも、1つ1つ手作りされた工芸品ですので、ピアノの個体によって、かなり音が変わります。
実際、これらのピアノを購入するときには、同じメーカーの同じモデルでも、いくつかの(人によっては、かなり多くの)ピアノを弾き比べてみて、一番自分が気に入った音のピアノを購入するのが普通です。
今回試弾させていただいたピアノについて個人的に感想を言わせていただくと、ヤマハのピアノは、かなり上手に調律されていますが、スタインウェイは、特徴的な高音部の華やかな響きが少なく、あまりスタインウェイらしい音になっていないように思えました。
録音された音ですと、あまり違いが実感しにくかったかもしれませんが、実際に弾いてみますと、小さなお子様でもわかるくらい音が違いますので、楽器店などでそのような機会があれば試してみてください。ピアノという楽器の奥の深さを楽しむことができます。
ピアノの違いは、音だけではありません。材質や製法も、メーカーによってかなり違います。それによって、ピアノ自体の価値にも、かなりの違いが生じます。
ピアノについて、より深く知るために「後悔しないピアノ選び」をご利用ください。
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