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ピアノ曲・ワンポイント攻略法:ショパン「子犬のワルツ」
ショパン「子犬のワルツ」
クラシックのピアノ曲というと、真っ先に挙げられるのがショパンの作品です。 ピアノという楽器が進化していく中で、ほぼ現代の形になった時に活躍をしていたショパンは、ピアノの魅力を最大限に引き出し、その特性を活かした作品を数多く残しました。
今回、ご紹介する「子犬のワルツ」は、ショパンの作品の中で、大人にもお子さまにも人気があります。「子犬のワルツ」はその名の通り、かわいらしい子犬が自分の尻尾を追っかけて、くるくると回っている様子を見て、ショパンはインスピレーションを得たそうです。そんな軽やかな音楽を、美しく演奏していきましょう。
(「子犬のワルツ」の楽譜については、
こちら
をご覧ください。)
「子犬のワルツ」を攻略するためのポイントは、以下の8つです。
1つ目は、右手の練習です。
「子犬のワルツ」は、右手のメロディーを聴かせる音楽と言っても過言ではありません。 曲全体がテンポの速い曲ですが、右手は特に忙しくなります。とても、楽譜を見ながら弾いていたのでは間に合いませんので、右手は暗譜で弾けるようになるまで練習をしましょう。 これが、「子犬のワルツ」を弾く際の基本です。
2つ目は、とにかく軽く弾くことです。
この曲にはモルト・ヴィヴァーチェという指示があり、とても生き生きとした音楽です。しかも、レジェッロも書いてあり、これは「軽やかに」という意味です。 生き生きと軽やかに弾く、そのように聴こえるように弾くためには、タッチを軽くします。
特に右手は、速く指を動かそうと思いすぎて、弾く動作が大きくなりがちです。こうなってしまうと結果として音が強くなり、また重たい印象になってしまいます。 なるべく小さな動きで弾くように心がけることがポイントです。
左手は2・3拍目の和音が重くなりがちですので、気をつけましょう。かなり弱く弾くと、メロディーともバランスがとれて綺麗に仕上がります。
3つ目は、ペダルの操作です。
「子犬のワルツ」は、ペダリングが難しくなります。ペダルのこまめな踏み変えが必要で、ペダルを踏みすぎて、無駄な響きや濁りが発生しないように気をつけましょう。
特に、37小節目までの前半部分と、78小節目以降の後半部分では、ペダルの操作がうまくいきませんと、メロディーが目立たなくなり伴奏に埋もれてしまいます。
(なお、
下記の無料の楽譜
では、ペダルの記号が入っていないようです。ご注意ください。市販の楽譜では、ほとんどの場合入っていると思います)
4つ目は、1小節目右手出だしのラのフラットです。
楽譜によっては、このラのフラットにトリルが付いています。好みによると思いますが、トリルをつけない方が、一般的な弾き方のような気がします。
5つ目は、45小節目の弾き方です。
右手に4連符、左手は4分音符3つとなっています。1拍目を両手ともしっかり合わせて弾き、その後は右手・左手と交互に音を弾いていきますが、あまり神経質に考えすぎずに、前からの流れに乗って弾かれた方が上手に弾けることが多いと思います。
6つ目は、55小節目から64小節目の右手です。
中間部の後半部分にあたるところで、中間部前半(37小節目から53小節目)のメロディーに装飾音符がつけられ、音楽が後半に向けて徐々に変化していくところです。
右手の各小節の1拍目につけられた装飾音符は、あくまでも飾りですので、なるべく短く、1拍目の音よりも強くならないように気をつけましょう。 何も意識をしないで弾いてしまいますと、わざとらしい演奏になってしまったり、曲全体が重たく音楽の流れがスムーズでない印象になってしまいます。
7つ目は、70小節目から73小節目の右手です。
左手が全休符で、右手のラのフラットにトリルが付いています。4小節間ずっとトリルを弾くことは、なかなか大変かもしれません。ここは、ペダルを使い音の響きをつけますと、右手はそんなに頑張らなくてもトリルを弾き続けることができます。また、ペダルで音が響きますので、相当力を抜いて弱く弾いて大丈夫です。
8つ目は、121小節目からの右手です。
「子犬のワルツ」全体の中で、とても盛り上がり一番印象的な部分で、また、とてもショパンらしいと思えるところです。
その前の120小節目から段々とゆっくりにしていき、121小節目3拍目のラのフラットで十分に音楽にブレーキをかけて、ゆっくりにします。そして、次の高いファはあえて間を空けて弾きますと、音の跳躍が効果的に聴こえます。(なお、このファにオクターブ記号が付いていますが、見落としがちなので気をつけてください)。そして、122小節目からのメロディーの下りは、始めの3・4音くらいはゆっくり弾き、徐々に加速していき、最後の両手で弾く124・125小節目になだれ込むように弾いていきます。まるで、ジェットコースターが頂点から降りてくるようなニュアンスになります。こうすることで、生き生きとショパンらしく聴こえます。
始めは、そのようなニュアンスをつけて弾くことに恥ずかしさやぎこちなさを感じるかもしれませんが、ショパンの曲は楽譜通りに弾いただけでは、ショパンぽく聴こえない音楽なのです。ぜひ、素敵なショパンらしい曲に仕上げましょう。
ショパン「子犬のワルツ」の楽譜について:
「子犬のワルツ」の楽譜は、例えば以下のような楽譜集で購入することができます。
全音ピアノピース・セレクション くつろぎ 〜小犬のワルツ〜
全音楽譜出版社
また、無料の楽譜は、
こちらのページ
(外部サイト)などから、入手できるようです。
「子犬のワルツ」が収録された音楽CDは、
おすすめ音楽CD
のページをご覧ください。
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