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東京のオペラの森2008 イベントウィーク 楽器の進化・ヴァイオリン編 |
指揮者の小澤征爾さんを音楽監督に迎え、2005年から毎年春に「東京のオペラの森」という音楽祭が、東京の上野で開催されています。4回目となる今回のテーマは、「チャイコフスキーとその時代」でした。
この「東京のオペラの森」では、小澤征爾さんが指揮するオペラの公演や、オーケストラ、室内楽などの公演も行われますが、この期間、公演以外にも音楽や芸術を楽しむための多くのイベントが上野の森で開催されます。(詳しくは、こちらのページをご覧ください)
今回は、そのイベントの中で、「楽器の進化・ヴァイオリン編」(ヴァイオリン:寺神戸亮、チェンバロ、オルガン:上尾直毅)と題したミュージアム・コンサートに参加しました。会場は、国立科学博物館の日本館講堂です。
国立科学博物館に来たのは、初めてですが、入口近くにあるシロナガスクジラのオブジェが大きいです。
建物の中も、雰囲気があって、すてきでした。
こちらが、イベントが開催された講堂です。このようなところで、ピアノの発表会をやってみたくなります。
今回は、ルネサンスからバロック前期のヴァイオリン、バロック後期のヴァイオリンと現代のヴァイオリンを聴き比べて、楽器の進化について学ぶというイベントですが、その伴奏として、古楽器のチェンバロとオルガンが使用されます。
ピアノは、チェンバロと比べますと、その構造に大きな違いがありますが、ヴァイオリンは、誕生当時から楽器として完成されており、現代に至るまで最も変化の少ない楽器と言われています。それでも、小さな変更は加えられ続け、初期のヴァイオリンを現在のものと聞き比べてみますと、やはり大きな違いがあることがわかります。
音を聴いてみますと、ルネサンスからバロック前期のヴァイオリンは、人の声と同じような音域で、どことなく素朴な音がし、バロック後期のヴァイオリンは、木管楽器に通じるような当たりの柔らかい、少し落ち着いた音を奏でます。これらの古楽器と比べてみますと、現在のヴァイオリンが、音量があり、音に深みとツヤがある華やかな音を出す楽器に進化してきたことが理解できます。
この音量が増し、華やかな音を出すようになったのは、ピアノの進化とも共通していますし、また、これらの古楽器のヴァイオリンと、チェンバロやオルガンの伴奏は、とても音のバランスがよいのですが、自由に音の大きさを変えて豊かな音の表現ができるヴァイオリンに比べて、音の大きさを変えられないチェンバロが、それを可能にするピアノへと進化していったのも自然な流れのように感じました。
なお、このコンサートでは、これらの古楽器を使用して、その当時の曲が合計で10曲演奏されました。17世紀初期のイタリアの作品から、バッハやモーツァルトまで、作曲家が作曲した当時の音で、クラシック音楽を楽しむことができて、とても充実したイベントでした。
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