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ヨーロッパ音楽紀行 |
プラハは、14世紀より神聖ローマ帝国およびボヘミア王国の首都として栄えてきました。
第二次大戦後は、社会主義国チェコスロヴァキアの首都となっていましたが、1993年にチェコとスロヴァキアが分離したことで、現在は、チェコ共和国の首都となっています。
市内中心部をヴルタヴァ(ドイツ語名モルダウ)川が流れ、2度の世界大戦でも破壊されることなく残った古い街並みには、11世紀のロマネスク様式からゴシック、ルネッサンス、バロック、アールヌーヴォー様式と、各時代を代表する建築物が多く残り、独特の雰囲気を作り出しています。
このプラハの歴史地区は、ユネスコの世界遺産にも登録されていますが、毎年春に開催される「プラハの春音楽祭」でも有名です。ドヴォルザーク(ドヴォジャーク)や、スメタナといった作曲家もチェコの出身で、プラハには、ドヴォルザークや、スメタナの博物館があります。
まずは、旧市街の見学から始めました。
(BGMを用意しました)
スメタナ作曲 「バガテルと即興曲」より 第1番 無邪気
プラハの街並みは、中世ヨーロッパの面影を残していますが、ウィーンなどとは違う独特のもので、以前ここが社会主義国であったことを少し感じました。
まず見えてきたのが市民会館です。この場所には、かつて王宮がありましたが、17世紀後半の大火事で焼け、1911年に現在のアールヌーヴォー様式の建物に建て替えられました。
この市民会館の内部には、プラハの春音楽祭の会場となるスメタナ・ホールや、レストランがあります。
この市民会館のすぐ横には、火薬塔があります。ゴシック様式で建てられたこの塔は、もともと旧市街地を守る城壁の門でしたが、17世紀に火薬倉庫として使われていたため、火薬塔と呼ばれています。
この火薬塔をくぐって、まっすぐ進むと旧市街広場へ出ます。
この旧市街広場に面して、旧市庁舎があります。
この旧市庁舎には、「天文時計」と呼ばれるからくり時計が付いています。
この2つの文字盤は、当時の天動説に基づいた天体の動きを表していますが、毎正時になると、仕掛けが動くようになっています。
この旧市街広場の、旧市庁舎の向かいには、2つの尖った塔を持つゴシック様式のティーン教会があります。
この旧市街広場を越えて、更に西へ進むとカレル橋の橋塔が見えてきます。
カレル橋は、ヴルタヴァ(モルダウ)川にかかるプラハ最古の石橋ですが、この対岸から見るプラハ城と、その周辺の小高い丘の街並みは、「これぞプラハ」と言いたくなる素晴らしいものです。
現存するカレル橋は、14世紀後半から15世紀にかけて60年近い年月をかけて作られた石橋で、それから現在まで、何度かの洪水にも耐えてきました。ヴルタヴァ(モルダウ)川に架かる最古の橋です。
橋の両脇には、聖人像が15体ずつ並べられています。
このカレル橋の上から、ゆったりと流れるヴルタヴァ(モルダウ)川を見ますと、スメタナ作曲の交響詩「わが祖国」を思い出します。
(「わが祖国」の音楽CDは、こちら)
「わが祖国」の第2曲「モルダウ」を学校の音楽の授業で歌った方も多いのではないでしょうか。
いくつかの訳詞がありますが、「なつかしき河よ〜、モルダウの〜」や、「ボヘミアの河よ〜モルダウよ〜」といった詞で歌われています。
スメタナも、ベートーヴェンと同様に晩年聴覚を失っていますが、この「わが祖国」は、スメタナが聴覚を失ってから作られた曲であることを思うと、更に感慨深いものがあります。
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